2001.08.26

Pharmacia社とPfizer社、JAMA論文に抗議−−セレコクシブの安全性を強調

 Journal of American Medical Association(JAMA)誌8月22/29日号に掲載された「選択的COX-2阻害薬による心血管系イベント増加の可能性」に関する論文(関連トピックス参照)に対する反論が、選択的COX-2阻害薬の販売企業から出された。米国Pharmacia社と米国Pfizer社は8月21日、「両社が販売する選択的COX-2阻害薬セレコクシブには、そのような危険性はない」とする声明を連名で発表した。

 両社によれば、セレコクシブの安全性は、今年2月7日に開催された米国食品医薬品局(FDA)の諮問委員会で検討済みであり、NSAIDと比べて心血管系リスクを増加させないと確認されているという。なお、諮問委員会はFDAから独立した立場から提言を行い、FDAはこの提言に従う義務を負うわけではないが、FDAのホームページによると「通常、委員会の提言に従う」とされる。

 また両社は、前掲のJAMA論文が「VIGOR試験における選択的COX-2阻害薬ロフェコクシブの心筋梗塞年間発症率と、CLASS試験におけるセレコクシブの同発症率が同等である」としている点にも反論している。VIGOR試験ではアスピリン服用が許されていなかった以上、アスピリン併用が許可されていたCLASS試験と比較する場合は、CLASS試験の全症例ではなく「アスピリン非服用例のみと比較しなければ誤った結論を招く」との主張だ。

 両社によれば、CLASS試験の症例のうちアスピリン非服用例の年間心筋梗塞発症率は0.33%で、JAMA論文で報告されたセレコクシブの同発症率(0.80%)の4割でしかないという。

 ただし、アスピリンを処方されるほど虚血性心血管事故のリスクが高い患者の場合、セレコクシブ群の心筋梗塞発症率は、NSAID群よりも相対的に20%近く増加することになる。今回の声明文は、この点に付いて何らの解釈も示していない。その一方で、セレコクシブ群ではアスピリンの服用・非服用を問わず、脳卒中が著明に減少しているのも事実である。

 論争の基となったJAMA論文の筆者には、急性冠症候群(ACS)説の大御所Eric T. Topol氏や、血管内超音波エコーの第一人者Steven E. Nissen氏が名前を連ねているのが目を引く。脳卒中が多く、また血清脂質が同等であれば心筋梗塞発症率が米国の3分の1とも言われるわが国において、この論争はどのような意味を持つのだろうか。

 本声明文は、こちらで見ることができる。(指方通、医療ライター)

■ 関連トピックス ■
◆ 2001.8.23 選択的COX-2阻害薬、服用で心血管系イベント増加の可能性

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