2001.08.26

コーヒーはやはり心臓に悪い?、血清脂質への悪影響が無作為化試験で示唆

 コーヒーを日常的に飲むと、血清総コレステロール値や血漿ホモシステイン値が上昇する恐れがあることがわかった。これは、American Journal of Clinical Nutrition誌9月号に、ノルウェーOslo大学のBenedicte Christensen氏らが報告した無作為化比較試験の結果。コーヒー愛飲者が6週間コーヒーを断つと、総コレステロール値とホモシステイン値が、いずれも低下したという。

 総コレステロールとホモシステインは、虚血性心疾患の危険因子として知られる。フィルターを用いないで淹れたコーヒーを飲むと、総コレステロール値やホモシステイン値が上昇することは既に報告されている(Am. J. Clin. Nutr.;71,480,2000)。Christensen氏らは今回、カフェインを除去していない、ペーパードリップの(フィルターを用いて淹れる)コーヒーについて、同様の検討を行った。

 試験に協力したのは、健康で喫煙習慣のない191人の成人。うち97%は「カフェイン抜きではない、ペーパードリップのコーヒー」を常飲している。Christensen氏らはこの191人を、1.コーヒー断ち、2.1日1〜3杯(175〜525ml)、3.1日4杯以上−−の3群に無作為に分け、6週間追跡した。なお、コーヒーの淹れ方は、各人の好みに任せた。

 その結果、「コーヒー断ち群」では、6週後に血清総コレステロール値が10.8mg/dl、血漿ホモシステイン値が1.08μmol/l、それぞれ低下していた。総コレステロール値やホモシステイン値に影響を及ぼすと考えられる因子で補正しても、低下作用は依然として認められた。なお、「コーヒー断ち」群に割り付けられた人の場合、試験開始前には平均1日4杯、ペーパードリップのコーヒーを飲んでいたという。

 ちなみに、本試験の参加者が飲んでいたのは、ほとんど全て「カフェイン入り」コーヒーだった。つまり、ペーパードリップか否かを問わず、カフェイン入りコーヒーは心臓に悪いとの解釈が成り立つわけだ。この報告が米国で広く取り上げられれば、いわゆる「コーヒー党」は、こぞって「カフェイン抜き」のコーヒーに走ると思われる。「カフェイン抜きコーヒー」が、ホモシステインや血清脂質に及ぼす影響の検討が待たれよう。

 この論文のタイトルは「Abstention from filtered coffee reduces the concentrations of plasma homocysteine and serum cholesterol-- a randomized controlled trial」。アブストラクトは、http://intl.ajcn.org/cgi/content/abstract/74/3/302まで。(指方通、医療ライター)

-->循環器スペシャルへ
-->プロフェッショナル・プログラムのトップページへ

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. JCHO東京高輪病院で感染症内科医7人一斉退職 2017年4月から、ほぼ全科で土曜休診に FBシェア数:883
  2. 「20年目に給与1500万円」が目安? Cadetto Special●医者の値段 2017 FBシェア数:0
  3. 「今すぐ英語で診断書を書いて!」と言われたら 小林米幸の外国人医療奮闘記 FBシェア数:1
  4. アルツハイマー治療薬開発が進まない理由 理化学研究所神経蛋白制御研究チームシニア・チームリーダーの西道隆臣氏に聞く FBシェア数:204
  5. 「救急医にはアイデンティティーがない」の呪い 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:214
  6. 本当に怖い夜勤の話 病院珍百景 FBシェア数:0
  7. 検査結果を基に診断を考えるな! 石山貴章の「イチロー型医師になろう!」 FBシェア数:12
  8. なんでこんな検査を定期健診に入れている? 記者の眼 FBシェア数:238
  9. 大型マンション近くでも埋まらない医療モール その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:1
  10. 典型画像が見えない敵、膵炎を除外するな! 医師の知らない?検査の話 FBシェア数:25