2001.08.17

米ブッシュ大統領、胚性幹細胞を用いた研究に政府資金を投入

 米国ブッシュ大統領は8月8日、胚性幹細胞を用いた研究に対し、制限付きで政府資金を投入することを決めた。胚性幹細胞とは、受精してから2カ月までの胎芽と呼ばれる、いわば胎児になる前段階のものから得られる幹細胞のこと。宗教団体などは、受精卵の段階で人間の生命であり、研究に用いることは倫理的に問題があるとして反対している。一方、研究者や患者団体は助成による研究の推進を望んでいる。そのため米国では、こうした研究に対し、これまでは政府資金による助成を行わないできた。

 胚性幹細胞を用いた研究は、アルツハイマー病やパーキンソン病、若年性糖尿病など、多くの病気の治療につながる可能性があると考えられている。ブッシュ大統領は、この点を重視し、既に存在する60株の胚性幹細胞を用いた研究に対してのみ、政府の助成を行うことを決めた。これらの幹細胞は、「既に“生死”が明確になっている」(ブッシュ大統領)との判断からだという。そこで、胎芽から新たに幹細胞を取り出す研究には、助成は行わない。

 ブッシュ大統領はまた、シカゴ大学の生物医学倫理学者、Leon Kass氏を座長とする委員会を発足し、幹細胞研究の運用に関する適切なガイドラインなどを作成してく。

 詳しくは、ホワイト・ハウスによるニュース・リリースまで。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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