日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

グラジナ錠50mg基本情報
基本情報
薬効分類
C型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)詳しく見る
- C型肝炎ウイルス(HCV)の複製を阻害しHCVの増殖を抑える薬
C型肝炎ウイルス治療薬(内服薬)の代表的な商品名
- レベトール コペガス
- テラビック
- ソブリアード
- ダクルインザ スンベプラ
- ソバルディ
- ハーボニー配合錠
- ヴィキラックス配合錠
- エレルサ グラジナ
- ジメンシー配合錠
- マヴィレット配合錠
効能・効果詳しく見る
- セログループ1のC型慢性肝炎のウイルス血症の改善
- セログループ1のC型代償性肝硬変のウイルス血症の改善
注意すべき副作用詳しく見る
下痢、便秘、倦怠感、発疹、肝機能障害、頭痛、悪心、浮動性眩暈、疲労、腹部不快感
用法・用量(主なもの)詳しく見る
- グラゾプレビルとして100mgを1日1回経口投与する
- 本剤はエルバスビルと併用し、投与期間は12週間とする
禁忌・原則禁忌
- 病気や症状に応じた注意事項
- 過敏症
- シクロスポリン投与中
- サキナビル投与中
- リファブチン投与中
- リファンピシン投与中
- エファビレンツ投与中
- アタザナビル投与中
- ロピナビル・リトナビル投与中
- カルバマゼピン投与中
- ダルナビル投与中
- セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中
- フェニトイン投与中
- フェノバルビタール投与中
- ホスフェニトイン投与中
- 中等度又は重度<Child−Pugh分類B又はC>の肝機能障害
- 患者の属性に応じた注意事項
- 授乳婦
副作用
主な副作用
下痢、便秘、倦怠感、発疹、肝機能障害、頭痛
重大な副作用
悪心、肝機能障害、疲労、腹部不快感、浮動性眩暈、ALT増加、GPT増加、鼻咽頭炎
上記以外の副作用
ヘモグロビン減少、AST増加、GOT増加、血中ビリルビン増加、GOT増加<基準値上限5倍超>、GPT増加<基準値上限5倍超>、ALT増加<基準値上限5倍超>、AST増加<基準値上限5倍超>
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 禁止
- 過敏症
- シクロスポリン投与中
- サキナビル投与中
- リファブチン投与中
- リファンピシン投与中
- エファビレンツ投与中
- アタザナビル投与中
- ロピナビル・リトナビル投与中
- カルバマゼピン投与中
- ダルナビル投与中
- セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中
- フェニトイン投与中
- フェノバルビタール投与中
- ホスフェニトイン投与中
- 中等度又は重度<Child−Pugh分類B又はC>の肝機能障害
- 慎重投与
- B型肝炎ウイルス感染
- 注意
- B型肝炎ウイルス感染
- HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性
- HBs抗原陰性かつHBs抗体陽性
患者の属性に応じた注意事項
- 原則禁止
- 授乳婦
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
相互作用
薬剤との相互作用
薬剤名 | 影響 |
---|---|
ホスフェニトイン | 本剤の治療効果を減弱 |
カルバマゼピン | 本剤の治療効果を減弱 |
リファブチン | 本剤の治療効果を減弱 |
フェノバルビタール | 本剤の治療効果を減弱 |
フェニトイン | 本剤の治療効果を減弱 |
リファンピシン類 | グラゾプレビルの血中濃度が低下 |
EVG・COBI・FTC・TDF<配合剤> | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
EVG・COBI・FTC・TAF<配合剤> | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
モダフィニル | グラゾプレビルの血中濃度が低下 |
エトラビリン | グラゾプレビルの血中濃度が低下 |
ボセンタン | グラゾプレビルの血中濃度が低下 |
ロピナビル・リトナビル配合剤 | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
アタザナビル | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
ダルナビル | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
サキナビル | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
リファンピシン類 | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
ロスバスタチン<服用> | 血中濃度が上昇 |
シンバスタチン<経口> | 血中濃度が上昇 |
フルバスタチン<経口> | 血中濃度が上昇 |
シクロスポリン | グラゾプレビルの血中濃度が上昇 |
アトルバスタチン<服用> | 血中濃度が上昇 |
エファビレンツ | グラゾプレビルの血中濃度が低下し本剤の治療効果を減弱 |
スニチニブ<経口> | 血中濃度が上昇 |
タクロリムス水和物 | 血中濃度が上昇 |
飲食物との相互作用
- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)を含むもの
処方理由
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
セログループ1のC型慢性肝炎又はセログループ1のC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。セログループ1:ジェノタイプ1。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認する。また、肝予備能、臨床症状等により、非代償性肝硬変でないことを確認する。
用法・用量(添付文書全文)
グラゾプレビルとして100mgを1日1回経口投与する。
本剤はエルバスビルと併用し、投与期間は12週間とする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
本剤の単独投与は行わない(本剤の単独投与による有効性及び安全性は確立していない)。エルバスビルの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止する。
副作用(添付文書全文)簡潔に見る
グラゾプレビル及びエルバスビルを併用した国内臨床試験において、293例中80例(27.3%)に副作用が認められた。主な副作用はALT(GPT)増加17例(5.8%)、AST(GOT)増加14例(4.8%)、頭痛7例(2.4%)、倦怠感6例(2.0%)、下痢6例(2.0%)、便秘5例(1.7%)、発疹5例(1.7%)であった。
1.重大な副作用
肝機能障害:AST増加<基準値上限5倍超>(GOT増加<基準値上限5倍超>)(1.4%)、ALT増加<基準値上限5倍超>(GPT増加<基準値上限5倍超>)(2.0%)等を伴う肝機能障害が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).全身症状:(1%以上5%未満)倦怠感、疲労。
2).消化器:(1%以上5%未満)下痢、便秘、腹部不快感、悪心。
3).皮膚:(1%以上5%未満)発疹。
4).精神・神経系:(1%以上5%未満)頭痛、浮動性眩暈。
5).肝臓:(5%以上)ALT増加(GPT増加)、(1%以上5%未満)AST増加(GOT増加)、(頻度不明)血中ビリルビン増加。
6).感染症及び寄生虫症:(1%以上5%未満)鼻咽頭炎。
7).血液及びリンパ系障害:(頻度不明)ヘモグロビン減少。
使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る
(警告)
本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与する。
(禁忌)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.中等度又は重度<Child−Pugh分類B又はC>の肝機能障害のある患者[グラゾプレビルの血中濃度が上昇する恐れがある]。
3.次記の薬剤を投与中の患者:シクロスポリン投与中、アタザナビル投与中、ダルナビル投与中、ロピナビル・リトナビル投与中、サキナビル投与中、カルバマゼピン投与中、フェニトイン投与中、ホスフェニトイン投与中、フェノバルビタール投与中、リファブチン投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中(St.John’s Wort)、エファビレンツ投与中、リファンピシン投与中。
(慎重投与)
B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者[再活性化する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
1.本剤は、エルバスビルと併用するため、エルバスビルの添付文書に記載されている、警告、禁忌、併用禁忌、併用注意、重要な基本的注意等の【使用上の注意】を必ず確認する。
2.肝機能障害が現れることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、肝機能悪化が認められた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルス再活性化が報告されており、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意する。
(相互作用)
グラゾプレビルはCYP3A、P−糖蛋白(P−gp)及び有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1Bの基質であり、腸管のCYP3A及び乳癌耐性蛋白(BCRP)を阻害する。
1.併用禁忌:
1).シクロスポリン<サンディミュン、ネオーラル>[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する(シクロスポリンの併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される)]。
2).アタザナビル<レイアタッツ>、ダルナビル<プリジスタ>、ロピナビル・リトナビル<カレトラ>、サキナビル<インビラーゼ>[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する、あるいは上昇すると予測される(これら薬剤の併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される、あるいは阻害されると予測される)]。
3).カルバマゼピン<テグレトール>、フェニトイン<アレビアチン>、ホスフェニトイン<ホストイン>、フェノバルビタール<フェノバール>、リファブチン<ミコブティン>、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が低下すると予測され、本剤の治療効果を減弱させる恐れがある(これら薬剤及び食品の併用により、CYP3A代謝が誘導される)]。
4).エファビレンツ<ストックリン>[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が低下し本剤の治療効果を減弱させる恐れがある(エファビレンツの併用により、CYP3A代謝及びP−gpが誘導される)]。
5).リファンピシン<リファジン>[併用により、初期にグラゾプレビルの血中濃度が上昇する(リファンピシンの併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される)、その後、併用を継続するとグラゾプレビルの血中濃度が低下する(リファンピシンの継続的な併用により、CYP3A代謝が誘導される)]。
2.併用注意:
1).EVG・COBI・FTC・TDF<配合剤>(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(配合剤))又はEVG・COBI・FTC・TAF<配合剤>(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(配合剤))[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する(これら配合剤の併用により、CYP3A及びOATP1Bが阻害される)]。
2).ボセンタン、モダフィニル、エトラビリン[併用により、グラゾプレビルの血中濃度が低下すると予測され、本剤の治療効果を減弱させる恐れがある(これら薬剤の併用により、CYP3A代謝が誘導される)]。
3).タクロリムス[併用により、タクロリムスの血中濃度が上昇するので、併用開始後は頻繁にタクロリムスの全血中濃度、頻繁に腎機能変化及びタクロリムスの副作用を頻繁にモニタリングすることが推奨される(グラゾプレビルの併用による弱いCYP3A阻害作用により、タクロリムスの代謝が阻害される)]。
4).アトルバスタチン<経口>[併用により、アトルバスタチンの血中濃度が上昇する(グラゾプレビルの併用により、腸管のCYP3A及びBCRPが阻害される)]。
5).ロスバスタチン<経口>[併用により、ロスバスタチンの血中濃度が上昇する(グラゾプレビルの併用により、腸管のBCRPが阻害される)]。
6).シンバスタチン<経口>[併用により、シンバスタチンの血中濃度が上昇する恐れがある(グラゾプレビルの併用により、腸管のCYP3A及びBCRPが阻害される)]。
7).フルバスタチン<経口>[併用により、フルバスタチンの血中濃度が上昇する恐れがある(グラゾプレビルの併用により、腸管のBCRPが阻害される)]。
8).スニチニブ<経口>[併用により、スニチニブの血中濃度が上昇する恐れがある(グラゾプレビルの併用により、腸管のBCRPが阻害される)]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.授乳中の婦人には投与しないが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[グラゾプレビルがヒト乳汁中へ移行するかどうかは不明であるが、動物試験(ラット)でグラゾプレビルの乳汁中への移行が認められている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。
(過量投与)
ヒトにおけるグラゾプレビルの過量投与の経験は限られている。本剤の過量投与に対する解毒剤はないので、過量投与時には、患者の状態を十分観察し、適切な対症療法を実施する(グラゾプレビルの血漿蛋白結合率は高いため、透析はグラゾプレビルの血中濃度を低下させるのに有効ではない)。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(取扱い上の注意)
湿気を避けるため、PTPシートのまま保存し、服用直前にPTPシートから取り出す。