日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

基本情報
薬効分類
SU薬詳しく見る
- 膵臓の細胞に作用し、膵臓からのインスリン分泌を促し血糖値を下げる薬
SU薬の代表的な商品名
- アマリール
- オイグルコン、ダオニール
- グリミクロン
効能・効果詳しく見る
- 2型糖尿病
注意すべき副作用詳しく見る
低血糖、貧血、意識障害、肝機能障害、過敏症、黄疸
用法・用量(主なもの)詳しく見る
- グリメピリドとして1日0.5〜1mgより開始し、1日1〜2回朝又は朝夕、食前又は食後に経口投与する
- 維持量は1日1〜4mgで、必要に応じて適宜増減する
- なお、1日最高投与量は6mgまでとする
禁忌・原則禁忌
- 病気や症状に応じた注意事項
- 胃腸障害
- インスリン依存型糖尿病
- 嘔吐
- 過敏症
- 下痢
- 若年型糖尿病
- 重症感染症
- 重症ケトーシス
- 重篤な外傷
- 重篤な肝機能障害
- 重篤な腎機能障害
- 手術前後
- 糖尿病性前昏睡
- 糖尿病性昏睡
- ブリットル型糖尿病
- 患者の属性に応じた注意事項
- 妊婦・産婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 年齢や性別に応じた注意事項
- 新生児(0日〜27日)
副作用
主な副作用
低血糖、貧血
重大な副作用
意識障害、黄疸、過敏症、肝機能障害、血小板減少、再生不良性貧血、頭痛、精神障害、脱力感、低血糖症状、発汗、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、高度空腹感
上記以外の副作用
嘔気、嘔吐、痙攣、血清カリウム上昇、下痢、眩暈、倦怠感、光線過敏症、興奮、集中力低下、心窩部痛、神経過敏、振戦、そう痒感、脱毛、知覚異常、電解質異常、動悸、白血球減少、発疹、不安、腹痛、腹部膨満感、浮腫、便秘、味覚異常、血清ナトリウム低下、一過性視力障害
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 禁止
- 胃腸障害
- インスリン依存型糖尿病
- 嘔吐
- 過敏症
- 下痢
- 若年型糖尿病
- 重症感染症
- 重症ケトーシス
- 重篤な外傷
- 重篤な肝機能障害
- 重篤な腎機能障害
- 手術前後
- 糖尿病性前昏睡
- 糖尿病性昏睡
- ブリットル型糖尿病
- 慎重投与
- 栄養不良状態
- 過度のアルコール摂取
- 肝機能障害
- 飢餓状態
- 腎機能障害
- 低血糖
- 脳下垂体機能不全
- 激しい筋肉運動
- 不規則な食事摂取
- 副腎機能不全
- 食事摂取量不足
患者の属性に応じた注意事項
- 禁止
- 妊婦・産婦
- 新生児(低出生体重児を含む)
- 希望禁止
- 授乳婦
- 慎重投与
- 幼児・乳児
- 高齢者
- 虚弱者(衰弱者を含む)
- 注意
- 幼児・乳児
年齢や性別に応じた注意事項
- 禁止
- 新生児(0日〜27日)
- 慎重投与
- 高齢者(65歳〜)
- 小児(0歳〜14歳)
相互作用
薬剤との相互作用
薬剤名 | 影響 |
---|---|
インスリン製剤 | 神経過敏 |
ヒトインスリン | 神経過敏 |
ビグアナイド系製剤 | 動悸 |
ブホルミン塩酸塩 | 動悸 |
塩酸メトホルミン | 動悸 |
ピオグリタゾン | 血糖降下作用の増強による低血糖症状 |
チアゾリジン系薬剤 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状 |
α−グルコシダーゼ阻害剤 | 意識障害 |
アカルボース | 意識障害 |
ボグリボース | 意識障害 |
シタグリプチンリン酸塩水和物 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状 |
DPP−4阻害剤 | 血糖降下作用の増強による低血糖症状 |
トホグリフロジン水和物 | 振戦 |
SGLT2阻害剤 | 振戦 |
イプラグリフロジン L−プロリン | 振戦 |
プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤 | 痙攣 |
ロルノキシカム | 痙攣 |
アンフェナク | 痙攣 |
アリール酢酸系消炎剤 | 痙攣 |
ナブメトン | 痙攣 |
オキシカム系消炎鎮痛剤 | 痙攣 |
ナプロキセン | 痙攣 |
ロキソプロフェン | 痙攣 |
ピンドロール | 動悸 |
プロプラノロール | 動悸 |
β−遮断剤 | 動悸 |
アテノロール | 動悸 |
クラリスロマイシン | 集中力低下 |
サルファ剤 | 振戦 |
スルファメトキサゾール | 振戦 |
クロラムフェニコール | 集中力低下 |
塩酸ミノサイクリン | 集中力低下 |
テトラサイクリン系抗生物質 | 集中力低下 |
塩酸テトラサイクリン | 集中力低下 |
ベザフィブラート | 神経過敏 |
クロフィブラート | 神経過敏 |
フィブラート系薬剤 | 神経過敏 |
ミコナゾール | 意識障害 |
フルコナゾール | 意識障害 |
アゾール系抗真菌剤 | 意識障害 |
コハク酸シベンゾリン | 知覚異常 |
塩酸ピルメノール | 知覚異常 |
ジソピラミド | 知覚異常 |
ヒドロコルチゾン | 呼気のアセトン臭 |
酢酸コルチゾン | 呼気のアセトン臭 |
副腎皮質ホルモン剤 | 呼気のアセトン臭 |
レボチロキシン | 呼気のアセトン臭 |
乾燥甲状腺 | 呼気のアセトン臭 |
甲状腺ホルモン剤 | 呼気のアセトン臭 |
エストリオール | 呼気のアセトン臭 |
安息香酸エストラジオール | 呼気のアセトン臭 |
卵胞ホルモン | 呼気のアセトン臭 |
ピラジナミド | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状 |
ニコチン酸製剤 | 血糖降下作用の減弱による高血糖症状 |
フェニトイン | 嘔吐 |
GLP−1アナログ | 動悸 |
リラグルチド | 動悸 |
プロベネシド | 興奮 |
サザピリン | 集中力低下 |
サリチル酸製剤 | 集中力低下 |
アスピリン | 集中力低下 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 痙攣 |
シプロフロキサシン | 脱力感 |
レボフロキサシン | 脱力感 |
エピネフリン | 呼気のアセトン臭 |
フルフェナジン | 呼気のアセトン臭 |
フェノチアジン系薬剤 | 呼気のアセトン臭 |
クロルプロマジン | 呼気のアセトン臭 |
酢酸ブセレリン | 嘔気 |
ACE阻害剤 | 低血糖 |
クマリン系抗凝血剤 | 精神障害 |
ワルファリンカリウム | 精神障害 |
イソニアジド | 嘔気 |
利尿剤 | 呼気のアセトン臭 |
トリクロルメチアジド | 呼気のアセトン臭 |
フロセミド | 呼気のアセトン臭 |
リファンピシン類 | 呼気のアセトン臭 |
飲食物との相互作用
- ニコチン酸(ナイアシン)を含むもの<まいたけ、たらこ、インスタントコーヒー、かつお節、まぐろ など>
処方理由
SU薬この薬をファーストチョイスする理由(2018年1月更新)もっと見る
- ・膵β細胞刺激作用は、他剤よりもマイルドでありSU剤の短所である低血糖、β細胞疲弊作用が少ない点を評価している。DPP4と併用することも多い。HbA1Cが10以上の場合でインスリン注射ができな症例などでは低血糖に注意しながら処方している。(60歳代診療所勤務医、一般内科)
- ・基本的には使用したくないが、SU薬を投与しなければならない場合は、グリメピリド0.5〜1mgかグリクラチド10〜20mgを投与します。(60歳代開業医、一般内科)
- ・安価で用量調整も行いやすく、切れ味も良い。最近は選択肢の増えた他剤との併用でさらに使いやすくなっているように思う。(50歳代開業医、一般内科)
- ・SU剤自体の処方頻度が減ってはきているのですが、必要な方はやはりいらっしゃり、その方の多くがグリメピリドです。効果が長いことは長所であり短所でもあるかとは思っています。低血糖以外の副作用はほとんど経験ありません。(40歳代病院勤務医、一般内科)
- ・効能効果の上限の6mgを使用するようなことは今はありませんが、1mg程度までなら他剤併用で補助的に使用してます。注意はしますが、そのくらいなら低血糖は起こりにくいと感じてます。(40歳代病院勤務医、総合診療科)
- ・SU薬の使用は著しく減った。無自覚性低血糖を起こしている懸念があるため。使用しても最大でグリメピリド1.0mgまでです。SU薬による大血管症の抑制効果のエビデンスがない。(60歳代開業医、循環器内科)
- ・最近、SU薬自体を処方することが減っている。もし処方するのであれば、使い慣れておりSUの中では低血糖の副作用が比較的少ないと感じているアマリールを処方する。(30歳代病院勤務医、上記以外の内科系専門科)
SU薬この薬をファーストチョイスする理由(2016年8月更新)もっと見る
- ・長時間安定して効くので気に入っている。しかし低血糖時には遷延するので注意が必要。(40歳代病院勤務医、神経内科)
- ・他のSU薬と比較して低血糖発作を起こしにくいと感じます。0.5mg、1mg、3mgと用量が比較的豊富である点も良いです。(50歳代開業医、循環器内科)
- ・比較的確実に血糖低下が期待できるから。グリベンクラミドほど強力でないので、低血糖の懸念が少ない。(50歳代病院勤務医、一般内科)
- ・グリメピリドを使用してはいますが、高齢者が大多数の訪問診療をしているので、低血糖の危険性が高いSU薬はなるべく処方しないようにしています。(50歳代診療所勤務医、一般内科)
- ・少量で使用していた。しかしDPP4阻害薬が出てから、ファーストチョイスはそちらに完全に奪われた。(60歳代病院勤務医、一般内科)
SU薬この薬をファーストチョイスする理由(2015年2月更新)もっと見る
- ・インスリン分泌促進に加え、インスリン抵抗性改善作用が少しある。少量(0.5mg)から使える。(50代病院勤務医、代謝・内分泌内科)
- ・効果は用量依存性だし、その調節も比較的容易である。DPP−4阻害薬との相性もよい。(60代、一般外科)
- ・メトホルミンやDPP−4阻害薬との少量併用がよい。最初はアマリール3mgを採用していたが、1mgで十分であることが多いので、現在は1mgを使用中。(50代開業医、代謝・内分泌内科)
- ・小児2型糖尿病への処方適応がある。(30代、小児科)
- ・心虚血のプレコンディショニングを阻害しにくい。(40代病院勤務医、循環器内科)
- ・教育入院でインスリンを導入してもアンコントローラブル、時に低血糖を来たし、患者さんのモチベーションも落ちてしまって、種々の経口血糖降下薬を試し、ごく少量のアマリールを重ねたとたん、驚くほど安定した例がありました。それまでSU薬は低血糖が怖い、二次無効ですぐに効かなくなる、DPP−4阻害薬全盛の時代にあっては既に昔の薬だ、といった思い込みがあったものの、やはり「故きを温ねて……」と自身の未熟さを改めて知らしめられた貴重な薬剤です。(40代診療所勤務医、一般内科)
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
2型糖尿病(但し、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)。
用法・用量(添付文書全文)
グリメピリドとして1日0.5〜1mgより開始し、1日1〜2回朝又は朝夕、食前又は食後に経口投与する。維持量は1日1〜4mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1日最高投与量は6mgまでとする。
副作用(添付文書全文)簡潔に見る
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).低血糖:低血糖(初期症状:脱力感、高度空腹感、発汗等)が現れることがある(なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意する)。また、本剤の投与により低血糖症状(脱力感、高度空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与する。
また、低血糖は投与中止後、臨床的にいったん回復したと思われる場合でも数日間は再発することがある。
2).汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少:汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
3).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.重大な副作用(類薬)
再生不良性貧血:再生不良性貧血が現れることが他のスルホニルウレア系薬剤で報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
3.その他の副作用(頻度不明)
1).血液:白血球減少、貧血。
2).肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。
3).腎臓:BUN上昇。
4).消化器:嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、便秘、腹部膨満感、腹痛。
5).過敏症:発疹、そう痒感、光線過敏症等。
6).精神神経系:眩暈、頭痛。
7).その他:血清カリウム上昇・血清ナトリウム低下等の電解質異常、倦怠感、CK上昇(CPK上昇)、浮腫、脱毛、一過性視力障害、味覚異常。
使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る
(警告)
重篤かつ遷延性の低血糖症を起こすことがあるので、用法・用量、使用上の注意に特に留意する。
(禁忌)
1.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、インスリン依存型糖尿病(若年型糖尿病、ブリットル型糖尿病等)の患者[インスリンの適用である]。
2.重篤な肝機能障害又は重篤な腎機能障害のある患者[低血糖を起こす恐れがある]。
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンの適用である]。
4.下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こす恐れがある]。
5.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
6.本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(慎重投与)
1.次に掲げる低血糖を起こす恐れのある患者又は状態。
1).肝機能障害又は腎機能障害。
2).脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
3).栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
4).激しい筋肉運動。
5).過度のアルコール摂取者。
6).高齢者。
7).「相互作用」の1.に示す血糖降下作用を増強する薬剤との併用。
2.小児。
(重要な基本的注意)
1.糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意する。
2.適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮する。
3.投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行う。
4.投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意する。
5.重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意する。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させる。
6.小児に投与する際には、低血糖症状及びその対処方法について保護者等にも十分説明する。
(相互作用)
本剤は、主に肝代謝酵素CYP2C9により代謝される。
併用注意:
1.血糖降下作用を増強する薬剤:
1).インスリン製剤(ヒトインスリン等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(血中インスリン増大)]。
2).ビグアナイド系薬剤(メトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(肝臓での糖新生抑制、腸管でのブドウ糖吸収抑制)]。
3).チアゾリジン系薬剤(ピオグリタゾン)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン作用増強)]。
4).α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、α−グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与する(糖吸収抑制)]。
5).DPP−4阻害薬(シタグリプチンリン酸塩水和物等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進、グルカゴン濃度低下)]。
6).GLP−1受容体作動薬(リラグルチド等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制)]。
7).SGLT2阻害剤(イプラグリフロジン L−プロリン、トホグリフロジン水和物等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(尿中へのブドウ糖排泄促進)]。
8).プロベネシド[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(腎排泄抑制)]。
9).クマリン系薬剤(ワルファリンカリウム)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制)]。
10).サリチル酸剤(アスピリン、サザピリン等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、サリチル酸剤の血糖降下作用)]。
11).プロピオン酸系消炎剤(ナプロキセン、ロキソプロフェンナトリウム水和物等)、アリール酢酸系消炎剤(アンフェナクナトリウム水和物、ナブメトン等)、オキシカム系消炎剤(ロルノキシカム等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制[これらの消炎剤は蛋白結合率が高いので、血中に本剤の遊離型が増加して血糖降下作用が増強する恐れがある])]。
12).β−遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、ピンドロール等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与する(特にβ−遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性β−遮断剤は避けることが望ましい)、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(糖新生抑制、アドレナリンによる低血糖からの回復抑制、低血糖に対する交感神経症状抑制)]。
13).モノアミン酸化酵素阻害剤[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進、糖新生抑制)]。
14).クラリスロマイシン[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(機序不明、併用薬剤が他のスルホニルウレア系薬剤の血中濃度を上昇させたとの報告がある)]。
15).サルファ剤(スルファメトキサゾール等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制)]。
16).クロラムフェニコール[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制)]。
17).テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン感受性促進)]。
18).シプロフロキサシン、レボフロキサシン水和物[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(機序不明)]。
19).フィブラート系薬剤(クロフィブラート、ベザフィブラート等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制)]。
20).アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール、フルコナゾール等)[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(肝代謝抑制(CYP2C9阻害)、血中蛋白との結合抑制)]。
21).シベンゾリンコハク酸塩、ジソピラミド、ピルメノール塩酸塩水和物[<臨床症状>血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与し、低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を投与する(インスリン分泌促進が考えられている)]。
2.血糖降下作用を減弱する薬剤:
1).アドレナリン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(末梢でのブドウ糖の取り込み抑制、肝臓での糖新生促進)]。
2).副腎皮質ホルモン(コルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(肝臓での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下)]。
3).甲状腺ホルモン(レボチロキシンナトリウム水和物、乾燥甲状腺等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(腸管でのブドウ糖吸収亢進、グルカゴンの分泌促進、カテコールアミンの作用増強、肝臓での糖新生促進)]。
4).卵胞ホルモン(エストラジオール安息香酸エステル、エストリオール等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等が考えられる)]。
5).利尿剤(トリクロルメチアジド、フロセミド等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下)]。
6).ピラジナミド[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、血糖値のコントロールが難しいとの報告がある)]。
7).イソニアジド[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常)]。
8).リファンピシン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(肝代謝促進(CYP誘導))]。
9).ニコチン酸[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(肝臓でのブドウ糖の同化抑制)]。
10).フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン、フルフェナジン等)[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離)]。
11).フェニトイン[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(インスリンの分泌阻害)]。
12).ブセレリン酢酸塩[<臨床症状>血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある;<措置方法>併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与する(機序不明、ブセレリン酢酸塩投与により、耐糖能が悪化したという報告がある)]。
(高齢者への投与)
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、低血糖が現れやすいので、少量から投与を開始し定期的に検査を行うなど慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[スルホニルウレア系薬剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている(また、本剤の動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている)]。
2.授乳中の婦人には投与しないことが望ましい[他のスルホニルウレア系薬剤で母乳へ移行することが報告されている]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は9歳未満の小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)(小児については「重要な基本的注意」の項参照)。
(過量投与)
1.過量投与時の徴候、症状:低血糖が起こることがある。
2.処置:
1).過量投与時で飲食が可能な場合:ブドウ糖(5〜15g)又は10〜30gの砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディなどを摂取させる。
2).過量投与時で意識障害がある場合:ブドウ糖液(50%20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。
3).その他:過量投与時には、血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴン投与もよい。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
1.スルホニルウレア系薬剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続使用した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。
2.インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
3.イヌを用いた慢性毒性試験において、最高用量の320mg/kg投与群の雌雄各1例に白内障を認めた。ウシの水晶体を用いたin vitro試験とラットを用いた検討結果では、白内障を発症させる作用や発症増強作用の可能性は認められなかった。
(取扱い上の注意)
1.保管方法:防湿。
2.安定性試験:グリメピリド錠0.5mg「日新」は、最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、室温保存において3年間安定であることが推測された。
(保管上の注意)
気密容器。