日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

アルシオドールカプセル0.5μg基本情報
基本情報
薬効分類
活性型ビタミンD3製剤詳しく見る
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
活性型ビタミンD3製剤の代表的な商品名
- エディロール
- アルファロール ワンアルファ
- ロカルトロール
- フルスタン ホーネル
効能・効果詳しく見る
- 骨粗鬆症
- ビタミンD抵抗性クル病のビタミンD代謝異常の改善
- ビタミンD抵抗性クル病の骨痛の改善
- ビタミンD抵抗性クル病の低カルシウム血症の改善
- ビタミンD抵抗性クル病のテタニーの改善
- ビタミンD抵抗性クル病の骨病変の改善
- 副甲状腺機能低下症の低カルシウム血症の改善
- 副甲状腺機能低下症のビタミンD代謝異常の改善
- 副甲状腺機能低下症の骨病変の改善
- 副甲状腺機能低下症の骨痛の改善
- 副甲状腺機能低下症のテタニーの改善
- 慢性腎不全の骨痛の改善
- 慢性腎不全の低カルシウム血症の改善
- 慢性腎不全のテタニーの改善
- 慢性腎不全のビタミンD代謝異常の改善
- 慢性腎不全の骨病変の改善
- ビタミンD抵抗性骨軟化症のテタニーの改善
- ビタミンD抵抗性骨軟化症の骨病変の改善
- ビタミンD抵抗性骨軟化症のビタミンD代謝異常の改善
- ビタミンD抵抗性骨軟化症の低カルシウム血症の改善
- ビタミンD抵抗性骨軟化症の骨痛の改善
注意すべき副作用詳しく見る
嘔気、悪心、肝機能障害、胃痛、黄疸
用法・用量(主なもの)詳しく見る
- 本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する
- 1.骨粗鬆症、慢性腎不全の場合:1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する
- 但し、年齢、症状により適宜増減する
- 2.副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合:1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する
- 但し、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する
- 3.小児用量:小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01〜0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する
- 但し、疾患、症状により適宜増減する
副作用
重大な副作用
悪心、胃痛、嘔気、黄疸、肝機能障害、急性腎不全、クレアチニン上昇、結膜充血、下痢、食欲不振、腎機能低下、皮膚そう痒感、便秘
上記以外の副作用
BUN上昇、GOT上昇、GPT上昇、胃部不快感、いらいら感、嘔吐、下肢つっぱり感、化骨形成、肩こり、関節周囲の石灰化、記憶力減退、胸痛、血圧上昇、血清カルシウム上昇、眩暈、倦怠感、口渇、口内違和感、嗄声、しびれ感、消化不良、腎結石、頭重、頭痛、脱力感、動悸、ALT上昇、AST上昇、耳鳴り、眠気、背部痛、発疹、腹部膨満感、浮腫、不眠、老人性難聴、記銘力減退、皮膚熱感
注意事項
病気や症状に応じた注意事項
- 注意
- 高リン血症
- 投与に際する指示
- 高リン血症
患者の属性に応じた注意事項
- 相対禁止
- 妊婦・産婦
- 希望禁止
- 授乳婦
- 慎重投与
- 幼児・乳児
- 注意
- 高齢者
年齢や性別に応じた注意事項
- 慎重投与
- 小児(0歳〜14歳)
- 注意
- 高齢者(65歳〜)
相互作用
薬剤との相互作用
薬剤名 | 影響 |
---|---|
マグネシウムを含有する薬剤 | 高マグネシウム血症 |
酸化マグネシウム | 高マグネシウム血症 |
炭酸マグネシウム | 高マグネシウム血症 |
炭酸カルシウム<経口> | 高カルシウム血症 |
カルシウム経口剤 | 高カルシウム血症 |
乳酸カルシウム<経口> | 高カルシウム血症 |
カルシトリオール | 高カルシウム血症 |
ビタミンD | 高カルシウム血症 |
ビタミンD誘導体製剤 | 高カルシウム血症 |
PTH製剤 | 高カルシウム血症 |
テリパラチド | 高カルシウム血症 |
ジゴキシン | 不整脈 |
ジギタリス剤 | 不整脈 |
飲食物との相互作用
- ビタミンDを含むもの<きくらげ、あんこう、しらす干し、いわし、にしん など>
- カルシウムを含むもの<干しえび、バジル、煮干し、牛乳、乳製品 など>
- マグネシウムを含むもの<海苔、わかめ、バジル、昆布、ひじき など>
処方理由
活性型ビタミンD3この薬をファーストチョイスする理由(2017年3月更新)もっと見る
- ・ステロイド投与中の患者で、腎機能が悪い場合はアルファカルシドールを少量使用している。エルデカルシトールは骨特異性は高いようだが高カルシウム血症の副作用が多い印象。二次性副甲状腺機能亢進症にはカルシウム値を上げすぎないマキサカルシトールを使用している。(30歳代病院勤務医、内科系専門科)
- ・外来患者にはワンアルファを多く処方している。しかし入院患者、特に透析患者に対しては病態により他剤に切り替えている。(50歳代病院勤務医、一般外科)
- ・自分が甲状腺癌で上皮小体を全摘出したため、毎日服用しています。また透析患者の低カルシウム血症にほぼ毎日処方しています。(50歳代診療所勤務医、泌尿器科)
- ・透析患者さんを診ているので、カルシウムの吸収を促進するためにアルファカルシドールの内服薬の使用が多い。注射薬より安価、ジェネリックが使えるなどの理由で選んでいる。(60歳代病院勤務医、内科系専門科)
- ・内服に関して副作用の経験はありません。しかし、他院で処方されて、高カルシウム血症を生じた患者を救急外来で診療したことあり、定期的なカルシウムのチェックを心がけています。(50歳代病院勤務医、呼吸器内科)
- ・透析患者さんに使うケースが多いので、アルファカルシドールが中心になっています。骨粗鬆症ではエルデカルシトールを主に使用しています。(60歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)
- ・効果はやや弱いが、安価で、副作用も比較的少ない。カプセルが球形のものもあり、転がりやすいのが欠点。(50歳代開業医、一般内科)
活性型ビタミンD3製剤この薬をファーストチョイスする理由(2015年11月更新)もっと見る
- ・長年使用していて特に問題なく、安定した効果がある印象。透析治療中の患者や骨粗鬆症の治療薬として標準的な位置付けである。(50代勤務医、循環器内科)
- ・一番使い慣れている。腎機能にも影響が少なく安心して使える。副作用も少なく、時々、血中カルシウム濃度を測定するだけで経過が見られる。(60代開業医、一般内科)
- ・使用実感としては、活性型ビタミンD3製剤間に違いはないので、最も普及していると思われるものを処方しています。(50代勤務医、一般内科)
- ・効果の点ではエディロールを最も評価していますが、薬価の点で、ジェネリックのあるアルファカルシドールの処方頻度が最も高いです。(50代勤務医、一般内科)
- ・エディロールでは時々高カルシウム血症になる方がいるが、ワンアルファはそこまで至ることはまずない。使いやすいと考えています。(30代勤務医、整形外科)
- ・肝でのハイドロキシレーションを経由してから活性化されるため、カルシトリオールよりも効果発現が急速でなく、高カルシウム血症を来しにくい。(60代勤務医、代謝・内分泌内科)
- ・散剤や液剤がある。新生児から適応がある。(40代勤務医、小児科)
- ・ビタミンD欠乏性くる病に処方しているが、活性型でないビタミンD製剤も医療用として出してほしい。(40代勤務医、小児科)
- ・主に糖尿病性腎症に対して使用しています。カルシウム値の補正には即効性がありよく使いますが、リン値上昇もあり、リン吸着剤を併用しなければいけないことが多いです。(30代勤務医、代謝・内分泌内科)
- ・甲状腺全摘術後に使用しております。剤形が豊富なので、用量調節がしやすいです。(30代勤務医、耳鼻咽喉科)
- ・透析患者に使用している。高PTH(副甲状腺ホルモン)血症に対して使っている。骨粗鬆症への効果を期待するならエディロールかと思う。(50代勤務医、内科系専門科)
添付文書
効果・効能(添付文書全文)
1.骨粗鬆症。
2.次記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善:慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・ビタミンD抵抗性骨軟化症。
用法・用量(添付文書全文)
本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。
1.骨粗鬆症、慢性腎不全の場合:1日1回アルファカルシドールとして0.5〜1.0μgを経口投与する。但し、年齢、症状により適宜増減する。
2.副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合:1日1回アルファカルシドールとして1.0〜4.0μgを経口投与する。但し、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。
3.小児用量:小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01〜0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05〜0.1μg/kgを経口投与する。但し、疾患、症状により適宜増減する。
副作用(添付文書全文)簡潔に見る
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1.重大な副作用(頻度不明)
1).急性腎不全:血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全が現れることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行う。
2).肝機能障害、黄疸:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行う。
1).消化器:(0.1〜5%未満)食欲不振、悪心・嘔気、下痢、便秘、胃痛、(0.1%未満)嘔吐、腹部膨満感、胃部不快感、消化不良、口内違和感、口渇等。
2).精神神経系:(0.1%未満)頭痛・頭重、不眠・いらいら感、脱力感・倦怠感、眩暈、しびれ感、眠気、記憶力減退・記銘力減退、耳鳴り、老人性難聴、背部痛、肩こり、下肢つっぱり感、胸痛等。
3).循環器:(0.1%未満)軽度の血圧上昇、動悸。
4).肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(0.1%未満)LDH上昇、γ−GTP上昇。
5).腎臓:(0.1〜5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇(腎機能低下)、(0.1%未満)腎結石。
6).皮膚:(0.1〜5%未満)皮膚そう痒感、(0.1%未満)発疹、皮膚熱感。
7).眼:(0.1〜5%未満)結膜充血。
8).骨:(0.1%未満)関節周囲の石灰化(化骨形成)。
9).その他:(0.1%未満)嗄声、浮腫。
使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る
(重要な基本的注意)
1.過量投与を防ぐため、本剤投与中、血清カルシウム値の定期的測定を行い、血清カルシウム値が正常値を超えないよう投与量を調整する。
2.高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬し、休薬により血清カルシウム値が正常域に達したら、減量して投薬を再開する。
(相互作用)
併用注意:
1.マグネシウムを含有する製剤(酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等)[高マグネシウム血症が起きたとの報告がある(不明)]。
2.ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[不整脈が現れる恐れがある(本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される)]。
3.カルシウム製剤<経口>(乳酸カルシウム水和物<経口>、炭酸カルシウム<経口>等)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる)]。
4.ビタミンD及びビタミンD誘導体(カルシトリオール等)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(相加作用)]。
5.PTH製剤(テリパラチド)[高カルシウム血症が現れる恐れがある(相加作用)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ヒト妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(動物実験(ラット)で大量投与の場合、胎仔化骨遅延等がみられている)]。
2.授乳中は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせる[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない(動物実験(ラット)で授乳による新生仔への移行率は、母動物投与量の1/20に相当する)]。
(小児等への投与)
小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならぬよう慎重に投与する[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強く現れている]。
(適用上の注意)
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
(その他の注意)
高リン血症のある患者に投与する場合はリン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げる。
(取扱い上の注意)
安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(温度6.8〜32.3℃、相対湿度39〜93%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アルシオドールカプセル0.5μg及び1μgは通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
(保管上の注意)
遮光・気密容器。