基本情報

薬効分類

プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)詳しく見る

  • 血行を良くすることで、血行が悪い状態でおこる手足の冷たさやしびれ、痛みなどの症状や肺高血圧症の症状などを改善する薬
プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)の代表的な商品名
  • ドルナー プロサイリン
  • ケアロード ベラサス
  • フローラン
  • トレプロスト

効能・効果詳しく見る

  • 肺動脈性肺高血圧症

注意すべき副作用詳しく見る

出血疼痛下痢局所反応頭痛顎痛四肢痛悪心熱感紅斑腫脹ほてり倦怠感注射部位出血血小板減少不眠症嘔吐注射部位疼痛浮腫潮紅発疹鼻出血上腹部痛不正子宮出血低血圧出血傾向動悸好中球減少持続皮下投与の継続が困難な疼痛注射部位そう痒感注射部位変色注射部位熱感注射部位硬結注射部位紅斑注射部位腫脹注射部位血管炎浮動性眩暈異常感皮膚そう痒症筋骨格痛紫斑結膜出血血管痛血管障害重篤な血流感染失神甲状腺機能亢進症

用法・用量(主なもの)詳しく見る

  • トレプロスチニルとして1.25ng/kg/分の投与速度で持続静脈内投与又は持続皮下投与を開始する
  • この初期投与速度が本剤の全身性の副作用により耐えられない場合は、投与速度を0.625ng/kg/分に減量する
  • 患者の状態を十分に観察しながら、原則、最初の4週間は、1週間あたり最大1.25ng/kg/分で増量し、その後は臨床症状に応じて1週間あたり最大2.5ng/kg/分で増量し、最適投与速度を決定する
  • 1週間あたり1.25又は2.5ng/kg/分を超えて増量する場合、患者の忍容性を十分確認しながら慎重に投与する
  • 最適投与速度の決定にあたっては、本剤の副作用と肺高血圧症状の改善を指標とする

禁忌・原則禁忌

  • 病気や症状に応じた注意事項
    • 過敏症
    • 重篤な低血圧
    • 重篤な左心機能障害
    • 右心不全の急性増悪時

副作用

主な副作用

出血疼痛下痢局所反応頭痛顎痛四肢痛悪心熱感紅斑腫脹ほてり倦怠感注射部位出血血小板減少不眠症嘔吐注射部位疼痛浮腫潮紅発疹鼻出血上腹部痛不正子宮出血低血圧出血傾向動悸好中球減少持続皮下投与の継続が困難な疼痛注射部位そう痒感注射部位変色注射部位熱感注射部位硬結注射部位紅斑注射部位腫脹注射部位血管炎浮動性眩暈異常感皮膚そう痒症筋骨格痛紫斑結膜出血血管痛血管障害重篤な血流感染

重大な副作用

嘔吐甲状腺機能亢進症失神注射部位疼痛潮紅鼻出血

上記以外の副作用

過度の血圧低下消化管出血低血圧蜂巣炎注射部位膿瘍カテーテル留置部位出血皮下注射部位出血

注意事項

病気や症状に応じた注意事項

  • 禁止
    • 過敏症
    • 重篤な低血圧
    • 重篤な左心機能障害
    • 右心不全の急性増悪時
  • 希望禁止
    • 肺静脈閉塞性疾患
  • 慎重投与
    • 肝障害
    • 出血傾向
    • 腎障害
    • 低血圧
    • 重度肝障害
    • 高度に肺血管抵抗が上昇
  • 注意
    • 肝障害
    • 肺静脈閉塞性疾患
    • 特発性PAH・遺伝性PAH及び膠原病に伴うPAH以外のPAH
  • 投与に際する指示
    • 肝障害
    • 右心不全の急性増悪時

患者の属性に応じた注意事項

  • 相対禁止
    • 妊婦・産婦
  • 注意
    • 高齢者

年齢や性別に応じた注意事項

  • 注意
    • 高齢者(65歳〜)

相互作用

薬剤との相互作用

薬剤名 影響
カルシウム拮抗剤 過度の血圧低下
プロスタグランジンE2誘導体製剤 過度の血圧低下
利尿剤 過度の血圧低下
プロスタグランジンE1製剤 過度の血圧低下
ACE阻害剤 過度の血圧低下
プロスタグランジンI2誘導体製剤 過度の血圧低下
降圧作用を有する薬剤 過度の血圧低下
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 出血の危険性を増大
プロスタグランジンI2誘導体製剤 出血の危険性を増大
プロスタグランジンE2誘導体製剤 出血の危険性を増大
血液凝固阻止剤 出血の危険性を増大
ウロキナーゼ 出血の危険性を増大
血栓溶解剤 出血の危険性を増大
アスピリン 出血の危険性を増大
チクロピジン 出血の危険性を増大
プロスタグランジンE1製剤 出血の危険性を増大
ワルファリン 出血の危険性を増大
CYP2C8を阻害する薬剤 本剤のAUC及びCmaxが上昇し本剤の副作用が発現
デフェラシロクス 本剤のAUC及びCmaxが上昇し本剤の副作用が発現
リファンピシン類 本剤のAUC及びCmaxが低下し本剤の効果が減弱
CYP2C8を誘導する薬剤 本剤のAUC及びCmaxが低下し本剤の効果が減弱

処方理由

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    添付文書

    効果・効能(添付文書全文)

    肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラス2、3及び4)。
    <効能・効果に関連する使用上の注意>
    1.本剤は肺動脈性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用する。
    2.先天性短絡性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症については、Eisenmenger症候群あるいは術後に肺高血圧の残存している患者にのみ使用する。
    3.本剤は経口肺血管拡張薬で十分な治療効果が得られない場合に適用を考慮する。
    4.特発性PAH・遺伝性PAH及び膠原病に伴うPAH以外のPAHにおける有効性及び安全性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。

    用法・用量(添付文書全文)

    トレプロスチニルとして1.25ng/kg/分の投与速度で持続静脈内投与又は持続皮下投与を開始する。この初期投与速度が本剤の全身性の副作用により耐えられない場合は、投与速度を0.625ng/kg/分に減量する。患者の状態を十分に観察しながら、原則、最初の4週間は、1週間あたり最大1.25ng/kg/分で増量し、その後は臨床症状に応じて1週間あたり最大2.5ng/kg/分で増量し、最適投与速度を決定する。1週間あたり1.25又は2.5ng/kg/分を超えて増量する場合、患者の忍容性を十分確認しながら慎重に投与する。最適投与速度の決定にあたっては、本剤の副作用と肺高血圧症状の改善を指標とする。
    <用法・用量に関連する使用上の注意>
    1.投与開始時及び投与速度調節の際は患者の症状をよく観察し、心拍数、血圧等血行動態の変化による副作用の発現に留意し、異常が認められた場合には本剤の減量など適切な処置を行う。
    2.肺高血圧症状が急激に増悪する恐れがあるので、突然の投与中止又は急激な減量を避ける。
    3.本剤の減量中又は投与中止後に症状の悪化又は症状の再発が認められることがあるので、患者の状態に注意し、このような場合には、適宜増量又は再投与する等の適切な処置を行う。
    4.本剤の消失半減期は0.8〜4.6時間であるため、長時間投与を中止した後再開する場合には投与速度を再設定する。
    5.本剤の投与経路を変更する場合は、原則、同一用量で変更し、投与経路変更後は患者の症状をよく観察する。
    6.肝障害のある患者において、本剤の血中濃度が上昇するため、0.625ng/kg/分から投与を開始し、慎重に増量する。
    7.国内外において290ng/kg/分を超えた投与速度の経験は少ないため、290ng/kg/分を超えて投与する場合は患者の状態に十分注意する。
    <投与方法>
    1.持続静脈内投与:本剤は日局注射用水又は日局生理食塩液で希釈し、外科的に留置された中心静脈カテーテルを介し、フィルターを接続した精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を用いて持続静脈内投与する。まず投与流量を決定し、決定した投与流量(mL/hr)、投与速度(ng/kg/分)及び患者の体重(kg)から、本剤の希釈濃度(mg/mL)を算出する。投与流量の決定にあたっては、精密持続点滴装置の薬液容器の交換まで最大48時間であるため、投与期間が48時間以内になるよう選択する。本剤の希釈濃度は0.004mg/mL以上とする。
    1).本剤希釈濃度の計算方法:
    本剤希釈濃度(mg/mL)=投与速度(ng/kg/分)×体重(kg)×0.00006*÷投与流量(mL/hr)。
    *:換算係数0.00006=60分/hr×0.000001mg/ng。
    算出された本剤の希釈濃度の薬液を、使用する薬液容器サイズに合わせて調製するために必要な本剤注射液の量は、次の式より算出する。
    2).本剤注射液量の計算方法:
    本剤注射液量(mL)=本剤希釈濃度(mg/mL)÷本剤注射液濃度(mg/mL)×薬液容器サイズ(本剤の希釈溶液量:mL)。
    算出された量の本剤注射液を、希釈液(日局注射用水又は日局生理食塩液)とともに薬液容器に加え、必要量に調製する。
    3).参考計算例:
    例1)
    ステップ1:体重60kgの患者に対し、投与速度5ng/kg/分、投与流量1mL/hrで、薬液容器50mLを使用して投与する場合、本剤の希釈濃度は次のように計算される。
    本剤希釈濃度(mg/mL)=5ng/kg/分×60kg×0.00006÷1mL/hr=0.018mg/mL。
    ステップ2:本剤の希釈濃度0.018mg/mLで、薬液を50mLに調製するために必要な本剤の注射液量は、20mgバイアル(本剤注射液濃度1mg/mL)を使用した場合、次のように計算される。
    本剤注射液量(mL)=0.018mg/mL÷1mg/mL×50mL=0.9mL。
    例2)
    ステップ1:体重75kgの患者に対し、投与速度30ng/kg/分、投与流量2mL/hrで、薬液容器100mLを使用して投与する場合、本剤の希釈濃度は次のように計算される。
    本剤希釈濃度(mg/mL)=30ng/kg/分×75kg×0.00006÷2mL/hr=0.0675mg/mL。
    ステップ2:本剤の希釈濃度0.0675mg/mLで、薬液を100mLに調製するために必要な本剤の注射液量は、50mgバイアル(本剤注射液濃度2.5mg/mL)を使用した場合、次のように計算される。
    本剤注射液量(mL)=0.0675mg/mL÷2.5mg/mL×100mL=2.7mL。
    2.持続皮下投与:本剤は、精密持続点滴装置(注射筒輸液ポンプ)を使用し、自己挿入型皮下カテーテルを経由して持続皮下投与する。本剤は希釈せずに、投与速度(ng/kg/分)、体重(kg)、本剤注射液の濃度(mg/mL)に基づき計算された投与流量(μL/hr)で投与する。
    1).投与流量の計算方法:
    投与流量(μL/hr)=投与速度(ng/kg/分)×体重(kg)×0.06*÷本剤注射液濃度(mg/mL)。
    *:換算係数0.06=60分/hr×0.000001mg/ng×1000μL/mL。
    2).参考計算例
    例1)体重50kgの患者に対し、20mgバイアル(本剤注射液濃度1mg/mL)を使用し、投与速度1.25ng/kg/分で投与を行う場合:
    投与流量(μL/hr)=1.25ng/kg/分×50kg×0.06÷1mg/mL=4μL/hr。
    例2)体重60kgの患者に対し、100mgバイアル(本剤注射液濃度5mg/mL)を使用し、投与速度15ng/kg/分で投与を行う場合:
    投与流量(μL/hr)=15ng/kg/分×60kg×0.06÷5mg/mL=11μL/hr。
    3.精密持続点滴装置は次の条件を満たすものを使用する:
    1).閉塞/投与不能、残量、電池の消耗、プログラムエラー及びモーターの機能故障のアラームがある。
    2).送達精度は±6%より優れる。
    3).陽圧駆動である。
    4).薬液容器は塩化ビニル、ポリプロピレンあるいはガラス製である。
    5).約2μL/hr刻みの調節が可能である(皮下投与のみ)。

    副作用(添付文書全文)簡潔に見る

    <国内>
    皮下投与又は静脈内投与時の国内臨床試験において、総症例38例中、38例334件(100%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主なものは注射部位の局所反応(疼痛、紅斑、腫脹、熱感、硬結、そう痒感等)31例(82%)、頭痛14例(37%)、下痢13例(34%)、ほてり11例(29%)、四肢痛9例(24%)、悪心8例(21%)、潮紅6例(16%)、顎痛6例(16%)、倦怠感5例(13%)、不眠症4例(11%)、血小板減少4例(11%)、浮腫4例(11%)等であった。
    なお、投与経路別では、皮下投与時で31例中31例205件(100%)、静脈内投与時で23例中20例129件(87%)に副作用が認められた(集計は副作用発現時の投与経路別とした)。その主なものは、皮下投与時で注射部位の局所反応(疼痛、紅斑、腫脹、熱感、硬結、そう痒感等)31例(100%)、静脈内投与時で頭痛10例(43%)、下痢9例(39%)、ほてり8例(35%)、四肢痛8例(35%)、顎痛6例(26%)、倦怠感5例(22%)等であった(承認時)。
    <海外>
    皮下投与時の海外臨床試験(236例)における主な副作用は、注射部位疼痛200例(85%)、注射部位反応196例(83%)、頭痛55例(23%)、下痢51例(22%)、注射部位出血/挫傷50例(21%)、悪心44例(19%)、顎痛30例(13%)、発疹27例(11%)等であった。
    静脈内投与時の海外臨床試験(30例)における主な副作用は、頭痛11例(37%)、四肢痛10例(33%)、嘔吐9例(30%)、顎痛8例(27%)、下痢6例(20%)、悪心6例(20%)、排便回数増加3例(10%)、疼痛3例(10%)等であった。
    1.重大な副作用
    1).血圧低下、失神(頻度不明):過度の血圧低下、失神が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行う。
    2).出血(頻度不明):消化管出血、鼻出血、皮下注射部位出血又はカテーテル留置部位出血等が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行う。
    3).血小板減少(10.5%)、好中球減少(2.6%):血小板減少、好中球減少が現れることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与中止等の適切な処置を行う。
    4).甲状腺機能亢進症(頻度不明):甲状腺機能亢進症が現れることがあるので、必要に応じて甲状腺機能検査を実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
    5).血流感染(21.7%):持続静脈内投与時に中心静脈カテーテル留置に伴う合併症として重篤な血流感染が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
    6).注射部位の局所反応(100%:重篤性にかかわらず、注射部位の局所反応すべての頻度を算出した):持続皮下投与時に注射部位の局所反応(疼痛、紅斑、腫脹、熱感等)が高頻度に現れることがあり、特に持続皮下投与の継続が困難な疼痛が現れることがあるため、これらの症状が現れた場合には、適切な処置(NSAIDs内服、クーリング/ヒーティング等)を行う。
    2.その他の副作用
    1).出血傾向:(10%未満)不正子宮出血、結膜出血、鼻出血、紫斑。
    2).循環器:(10%以上)潮紅、ほてり、(10%未満)動悸、低血圧。
    3).消化器:(10%以上)下痢、悪心、(10%未満)嘔吐、上腹部痛。
    4).筋骨格:(10%以上)四肢痛、顎痛、(10%未満)筋骨格痛。
    5).精神神経系:(10%以上)頭痛、不眠症、(10%未満)浮動性眩暈、異常感。
    6).皮膚:(10%未満)発疹、皮膚そう痒症。
    7).投与部位:(10%以上)注射部位疼痛、注射部位紅斑、注射部位腫脹、注射部位熱感、注射部位硬結、注射部位そう痒感、(10%未満)注射部位出血、注射部位変色、注射部位血管炎、(頻度不明)*蜂巣炎(*:注射部位膿瘍が発現することがあるため、注射部位の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行う)[発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行う]。
    8).その他:(10%以上)浮腫、倦怠感、(10%未満)血管障害(血管痛)。

    使用上の注意(添付文書全文)簡潔に見る

    (警告)
    外国で本剤の急激な中止により死亡に至った症例が報告されているので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、徐々に減量する。
    (禁忌)
    1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    2.右心不全の急性増悪時の患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させる恐れがあるので、カテコールアミンの投与等の処置を行い、状態が安定するまでは投与しない]。
    3.重篤な左心機能障害を有する患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させる恐れがある]。
    4.重篤な低血圧患者[本剤の血管拡張作用により症状を悪化させる恐れがある]。
    (慎重投与)
    1.高度に肺血管抵抗が上昇している患者[肺血管抵抗が高度に上昇した病態を示す肺高血圧症の末期と考えられる患者では、心機能も著しく低下していることから、観察を十分に行い慎重に投与する]。
    2.出血傾向のある患者[本剤の血小板凝集抑制作用により、出血を助長する恐れがある]。
    3.低血圧の患者[本剤の血管拡張作用により、血圧を更に低下させる恐れがある]。
    4.肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する。また、重度肝障害のある患者での使用経験はない]。
    5.腎障害のある患者[排泄が遅延する恐れがある]。
    (重要な基本的注意)
    1.本剤の投与は、病状の変化への適切な対応が重要であるため、緊急時に十分な対応が可能な医療施設において肺高血圧症及び心不全の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ行う。
    2.自己投与に移行する前に、自己投与方法(薬液調製方法、無菌的操作方法、精密持続点滴装置の操作方法等)について予め患者に十分教育を行い、患者自らが適切に使用可能と医師が判断した患者に対してのみ投与を開始する。
    3.持続皮下投与にあたっては、次記の点に注意する:
    1).持続皮下投与時神経走行部位・発赤・硬結・挫傷・線条・瘢痕・浮腫・結節・ベルトライン等の部位は避ける。
    2).注射針刺入直後に疼痛を訴えた場合は、直ちに注射針を抜き、部位を変えて刺入する。
    3).持続皮下投与時、注射部位は腹部、臀部、上腕、大腿等広範囲に求め、順序良く移動し、同一部位への短期間内の繰り返し注射を避ける。なお、国内臨床試験では腹部が主な投与部位とされた。
    4).国内臨床試験において、持続皮下投与時に注射部位の局所反応が高頻度に認められ、注射部位局所反応(特に注射部位疼痛)が現れた場合には、適切な処置(NSAIDs内服、クーリング/ヒーティング等)を実施する。持続皮下投与の継続が困難な場合、本剤の投与中止又は持続静脈内投与への変更を検討する。
    4.持続静脈内投与にあたっては、敗血症などの重篤な感染症が現れることがあるので、次記の点に注意する。
    1).持続静脈内投与時、薬液の調製、薬液の交換及び輸液セットの交換は、無菌的に行う。
    2).持続静脈内投与時、注射部位は常に清潔に保ち、注射部位を保護するドレッシング材等を交換する際は、注射部位の観察を行う。
    3).持続静脈内投与時、注射部位の異常や原因不明の発熱が認められた場合は、医師又はその他医療従事者に連絡し、指示を受けるよう患者に指導する。
    4).持続静脈内投与時、中心静脈カテーテルを介した感染が起こった場合など、臨床的に必要と判断される場合は一時的に末梢静脈内投与を行うことを考慮する(血栓性静脈炎のリスクがあるため、なるべく太い静脈を選び、長期間の末梢静脈内投与は避ける)。
    5.肺静脈閉塞性疾患を有する患者では、本剤の血管拡張作用により、心血管系の状態を著しく悪化させる恐れがあるので、肺静脈閉塞性疾患を有する患者に対しては本剤を投与しないことが望ましい。
    6.本剤は血管拡張作用を有するため、本剤の投与に際しては、血管拡張作用により患者が有害な影響を受ける状態(降圧剤投与中、安静時低血圧、血液量減少、重度の左室流出路閉塞、自律神経機能障害等)にあるのかを十分検討する。
    7.臨床試験において、眩暈等が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させる。
    (相互作用)
    本剤は主にCYP2C8により代謝される。
    併用注意:
    1.降圧作用を有する薬剤(カルシウム拮抗剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、利尿剤、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤等)[これらの薬剤との併用により、過度の血圧低下が起こることがあるので、併用薬もしくは本剤を増量する場合は血圧を十分観察する(相互に降圧作用を増強することが考えられる)]。
    2.抗凝血剤(ワルファリン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、チクロピジン、プロスタグランジンE1誘導体製剤、プロスタグランジンE2誘導体製剤、プロスタグランジンI2誘導体製剤等)[これらの薬剤との併用により、出血の危険性を増大させる恐れがあるので、定期的にプロトロンビン時間等の血液検査を行い、必要に応じてこれらの併用薬を減量又は投与を中止する(相互に抗凝血作用を増強することが考えられる)]。
    3.CYP2C8誘導剤(リファンピシン等)[本剤のAUC及びCmaxが低下し本剤の効果が減弱する恐れがあるので、肺高血圧症状の観察を十分に行う(本剤の代謝酵素であるCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。
    4.CYP2C8阻害剤(デフェラシロクス)[本剤のAUC及びCmaxが上昇し本剤の副作用が発現する恐れがある(本剤の代謝酵素であるCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が抑制されると考えられる)]。
    (高齢者への投与)
    一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので注意する。
    (妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
    1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、動物実験(ウサギ)において骨格変異(腰肋骨骨格変異)を有する胎仔の出現率の増加がヒトでの推定最高全身曝露量(推定最高臨床用量525ng/kg/分投与時)の0.1倍で認められている]。
    2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させる[類薬の動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている]。
    (小児等への投与)
    低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
    (過量投与)
    1.徴候・症状:本剤の過量投与後には過度の薬理学的作用により、潮紅、頭痛、低血圧、悪心、嘔吐、下痢等が発現する。過量投与は、精密持続点滴装置の誤操作あるいは投与流量を変更せずに本剤注射液の濃度を変更した場合等に偶発的に生じる可能性がある。
    海外において小児患者1例で、中心静脈カテーテルから偶発的に本剤7.5mgが投与され、症状として潮紅、頭痛、悪心、嘔吐、低血圧、並びに数分間持続した意識消失を伴う発作のような行動があり、患者は本剤の休薬及び酸素吸入により回復した。
    2.処置:過量投与時、症状が消失するまで、直ちに本剤を減量又は投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行う(減量又は投与中止の際は、肺高血圧症状の悪化又は再発を避けるため可能な限り徐々に投与速度を落とす)、投与再開にあたっては、医師の監視の下で慎重に行い、症状の再発に注意する。
    (適用上の注意)
    1.投与経路:本剤は静脈内投与又は皮下投与にのみ使用する。
    2.使用時:
    1).本剤の変色又はバイアル内に微粒子が認められるものは使用しない。
    2).配合変化試験を実施していないので、他の薬剤<日局注射用水又は日局生理食塩液を除く>との混合は避ける。
    3).静脈内投与の場合、日局注射用水又は日局生理食塩液で希釈して投与する。皮下投与の場合、希釈せずそのまま投与する。
    3.保存及び取扱い:
    1).本剤を希釈した場合、37℃では48時間以内に投与を終了する。また、本剤を希釈せずに薬液容器に入れた場合、37℃では72時間以内に投与を終了する。
    2).薬液交換時、使用後の薬液容器内の残液は再使用しない。
    3).穿刺後のバイアルは30日以内に使用する。
    4.投与時:
    1).精密持続点滴装置の誤操作により、本剤の投与量が過多もしくは不足となる可能性があるので、本剤の投与前に精密持続点滴装置の操作を十分習得し、流量の設定には十分注意する。また、精密持続点滴装置の故障や誤作動等により、本剤の投与量が過多もしくは不足となる可能性があるので、精密持続点滴装置は常に予備を用意しておく(投与量の過多又は不足により、本剤の血管拡張作用に関連する副作用が発現したり、肺高血圧症状の悪化又は再発を来す恐れがある)。
    2).カテーテルの閉塞により、本剤の投与量が不足し、肺高血圧症状の悪化又は再発を来す恐れがあるので、カテーテルの閉塞が疑われた場合(精密持続点滴装置のアラームが作動、薬液容器内の残量が通常より多い等)には、至急適切な処置を行う。

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