日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

トピラマート解説

とぴらまーと

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • 脳内において神経細胞の過剰な興奮を抑えることで、てんかんの発作(主に部分発作)を抑える薬
    • てんかんは脳内神経の異常な興奮などによっておこるとされ、その症状はけいれんや体のこわばりなど多種多様となる
    • 脳内における神経細胞でナトリウムイオンやカルシウムイオンは興奮性のシグナルとなり、塩化物イオンは抑制性のシグナルとなる
    • 脳内で炭酸脱水酵素を阻害すると抗けいれん作用などがあらわれる
    • 本剤は興奮性シグナルの抑制作用、抑制性シグナルの促進作用、炭酸脱水酵素阻害作用などにより抗てんかん作用をあらわす
  • 本剤はてんかん治療薬としては、第二世代の抗てんかん薬に分類される
  • 片頭痛の予防薬として使用する場合もある
    • 海外では青少年用(12〜17歳)の片頭痛予防薬として承認されている場合もある

詳しい薬理作用

てんかんは脳内で神経が異常に興奮することなどによっておこり、その症状は全身のこわばりやけいれん、意識の消失、体の一部に症状があらわれるなど多種多様となる。

脳には神経細胞が集積していて、神経伝達物質などの作用により神経細胞が興奮しシグナルが伝わり神経伝達がおこる。神経の興奮伝達に関わる物質としてナトリウムイオン(Na+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩化物イオン(Cl)などがあり、その中でもNa+やCa2+は興奮性のシグナルとして作用し、Clは抑制性のシグナルとして作用する。また脳内で炭酸脱水酵素という酵素がけいれんなどの発症に関わっているとされ、この酵素を阻害することにより、てんかんの発作が抑えられる。

本剤は抑制性シグナルであるNa+、Ca2+の通り道であるナトリウムチャネルやカルシウムチャネルの抑制作用、抑制性シグナルであるClの神経細胞内への流入促進作用、炭酸脱水酵素阻害作用などにより抗てんかん作用をあらわすとされる。本剤(トピラマート)は2006年以降に承認された第二世代の抗てんかん薬の一つで、主に部分発作に対する治療薬となる

また本剤は片頭痛に対して有効とされ、片頭痛の前兆の発生抑制作用や片頭痛発作発生の軽減作用により、片頭痛予防薬として使用する場合もある。

主な副作用や注意点

  • 精神神経系症状
    • 傾眠、めまい、摂食異常、頭痛などがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 腹痛、吐き気、便秘、下痢、口内炎などがあらわれる場合がある
  • 全身症状
    • 体重減少、倦怠感などがあらわれる場合がある
  • 緑内障
    • 頻度は非常に稀だが、続発性閉塞隅角緑内障を伴う急性近視があらわれる可能性がある(投与1ヶ月以内にあらわれる場合が多いとされる)
    • 視力の急激な低下、眼痛などがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する

一般的な商品とその特徴

トピナ

  • 細粒剤もあり、嚥下能力の低下した患者などへのメリットが考えられる

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. レセプト査定される糖尿病処方、教えます 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:162
  2. 病像の変化で糖尿病腎症から糖尿病性腎臓病に 特集◎生活習慣病 7つの新常識《5》 FBシェア数:177
  3. 五輪でドーピング…主訴「薬を盛られた?」 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:24
  4. 刃物を持ってくる患者の「予兆」を見逃さないで 院内暴力・セクハラSOS FBシェア数:119
  5. 外科医の寿命を延ばすロボット手術が保険適用に 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:166
  6. いつから、何を使って、どれくらい勉強する? 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:72
  7. 一過性の意識消失で救急搬送された80歳代女性 カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:0
  8. 肝臓癌で余命半年と宣告された認知症患者 短期集中連載◎重度の認知症患者を診るということ(3) FBシェア数:36
  9. 血糖管理は点から線へ、FGMで変動を調べよ 特集◎生活習慣病 7つの新常識《6》 FBシェア数:36
  10. 主な癌の5年生存率を国際比較 Lancet誌から FBシェア数:28
医師と医学研究者におすすめの英文校正