日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

バルプロ酸ナトリウム製剤解説

ばるぷろさんなとりうむせいざい

薬の解説

薬の効果と作用機序

  • 脳内のGABA(γ-アミノ酪酸)の神経伝達促進作用などにより、脳内の神経興奮の抑制作用などをあらわし、てんかん、片頭痛、躁病などの改善作用をあらわす薬
    • てんかん、片頭痛、躁病などは脳内神経の異常な興奮などによっておこるとされる
    • 脳内神経伝達物質のGABAは神経興奮の抑制系物質として脳内で作用する
    • 本剤は脳内の神経興奮抑制系の賦活作用などをあらわす

詳しい薬理作用

てんかん、片頭痛、躁病などは脳内で神経が異常に興奮することなどによっておこるとされる。

脳には神経細胞が集積していて、神経伝達物質などの作用により神経細胞が興奮しシグナルが伝わり神経伝達がおこる。神経の興奮伝達に関わる物質としてナトリウムイオン(Na+)、カルシウムイオン(Ca2+)、塩化物イオン(Cl)などがあり、その中でもClは神経の興奮を抑制するシグナルとして作用する。脳内神経伝達物質のGABA(γ-アミノ酪酸)がGABA受容体に結合すると、Clの通り道であるGABA受容体-BZD受容体-Cl-チャネル複合体へのCl-の流入が促進し、神経興奮が抑制される。神経伝達物質のGABAはグルタミン酸脱炭酸酵素の働きなどにより合成され、GABAトランスアミナーゼという酵素によって不活性化される。

本剤はグルタミン酸脱炭酸酵素の活性低下抑制作用やGABAトランスアミナーゼの阻害作用などにより、GABA濃度を上昇させる作用をあらわす。また神経伝達物質のセロトニン代謝にも関わり、これらの作用により脳内の抑制系の賦活作用などにより、抗てんかん作用、片頭痛発作発症抑制作用、抗躁作用などをあらわすとされる。

主な副作用や注意点

  • 精神神経系症状
    • 眠気、めまい、震えなどがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 吐き気、食欲不振、腹痛、口内炎などがあらわれる場合がある
  • パーキンソン様症状
    • 頻度は非常に稀である
    • 動作が遅くなった、声が小さくなった、歩き方がふらふらする、歩幅がせまくなった(小刻み歩行)、手が震えるなどがみられた場合は自己判断で服薬を中止したり放置したりせずに、医師や薬剤師に連絡する
  • 肝機能障害
    • 頻度は非常に稀である
    • 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、発疹などがみられ症状が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • ラモトリギン(商品名:ラミクタール)との併用に関する注意
    • 上記薬剤の影響により、本剤の薬物代謝が抑制される可能性がある
    • 併用する場合にはラモトリギンを徐々に増やす(漸増)などの対処が必要な場合があり医師の指示の下、適切に服用する

一般的な商品とその特徴

デパケン

  • 剤形に関して
    • 錠剤、R錠(徐放性製剤)、細粒剤(20%、40%)、シロップ剤があり、用途などによって選択が可能
    • 錠剤(デパケン錠):吸湿性が高く、服用直前までPTPシートから取り出さないで保管する(保管中、PTPシートを破損しないように注意する)
    • R錠(デパケンR錠):徐放性製剤かつ糖衣錠であり、吸湿による急激な品質劣化が少ない

セレニカR

  • 剤形に関して
    • 錠剤、顆粒剤があり用途などに合わせて選択が可能
    • 徐放性製剤であり、通常は1日1回で服用する
  • 保管に関して
    • 顆粒剤(セレニカR顆粒):吸湿する場合があり、(包装、容器などの)開封後は湿気を避けて保管する
    • 錠剤(セレニカR錠):吸湿性が高く、服用直前までPTPシートから取り出さないで保管する(保管中、PTPシートを破損しないように注意する)

薬の種類一覧

バルプロ酸ナトリウム製剤の医療用医薬品(処方薬)

内用薬:液剤

内用薬:散剤

内用薬:錠剤

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