日経メディカル処方薬事典データ協力:株式会社メドレー

皮膚軟化薬(サリチル酸製剤)解説
ひふなんかやく(さりちるさんせいざい)
薬の解説
薬の効果と作用機序
- サリチル酸の作用により、角化した皮膚と一緒に角質層に多く存在する菌などを除去する薬
- サリチル酸は微生物に対して抗菌性をあらわす
- サリチル酸は角質を剥離する作用をあらわす
- 本剤はサリチル酸を含む外用製剤で、皮膚を軟化させ角質を剥離させるなどの作用をあらわす
詳しい薬理作用
サリチル酸は白癬菌などの微生物に対して抗菌性をもつ。またサリチル酸は角質を剥離する作用をもち、角質層に多く存在する白癬菌と共に脱落させることにより抗菌作用を効果的にする作用をあらわす。
本剤はサリチル酸を含む外用製剤で、軟膏剤やテープ剤として皮膚に塗布、貼付し使用する。使用部位の皮膚を軟化させることで角化した皮膚や古くなった角質などを除去する作用をあらわす。
主な副作用や注意点
- 過敏症状、皮膚症状
- 頻度は極めて稀だが、発赤、紅斑などがあらわれる場合がある
一般的な商品とその特徴
サリチル酸ワセリン
- サリチル酸を含む軟膏(ワセリン)製剤
- 角化を伴う湿疹、乾癬、白癬などの皮膚真菌症、にきび、アトピー性皮膚炎など臨床の場で広く使用されている
スピール膏
- サリチル酸を50%含む外用貼付剤
- 同様の名称の市販薬もある
- 疣贅(ゆうぜい:「イボ」のこと)、鶏眼(けいがん:魚の目)、胼胝腫(べんちしゅ:「タコ」のこと)などの皮膚が厚く、硬くなったりするなどの症状に使用する
- 通常、本剤を患部と同じ大きさに切って貼付し、2〜5日目ごとに取りかえる