薬剤師道一直線

一、「礼」と「間合い」を習得すべし

 「礼に始まり、礼に終わる」。剣道や柔道、茶道、華道などで「礼」が重視されることは、ご存じの方も多いだろう。薬剤師も、日ごろの業務で「礼に始まり、礼に終わる」を実践してみるのはいかがであろうか。

 礼とは、「人と交わるに当たり、まずその人格を尊重し、これに敬意を表すること」であり、「相手に不快な思いをさせない」という最低限の心遣いである。礼には、立礼や座礼のように動作・作法としての形の意味もあるが、大切なのは、その心である。

 患者さんの前に立ったとき、相手の人格を尊重し、敬意を表し、不快な思いをさせないことを意識しているだろうか。もちろん、いついかなる時もである。自分が忙しかろうが、体調が悪かろうが。しかも、「礼に始まり、礼に終わる」のだから、患者さんが薬局に一たび足を踏み入れた瞬間から、薬局を出るまで、最初から最後まで、徹頭徹尾、この「礼」の意識を持ち続ける必要がある。

 その際、患者さんとの「間合い」にも気を配るようにしたい。ここでいう間合いとは、物理的な距離のことではなく、患者さんとの心の距離のことである。いくら礼を尽くし、敬意を持って接したとしても、間合いが近過ぎると患者さんは警戒するし、遠過ぎればせっかくの敬意も伝わらない。

 遠くもなく、近くもなく。無条件に「この人と話したい」「この人に相談したい」と患者さんに思わせるような絶妙な間合い。それが実現できれば、患者さんは、薬剤師から聞かれるまでもなく、自分の体のことや病気のこと、悩みを打ち明けてくれるようになるだろう。そして、その相談に薬剤師は礼を尽くして応える。適切な間合いさえ保てていれば、それもさほど難しくはないはずだ。

 今年こそ、絶妙な「間合い」をものにしよう。うまくいかなくても諦めることなく、「まあいいヤ」なんて言わずに。

(結城 真吾)

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