薬剤師道一直線

一、肩書を捨て実力で勝負せよ

 この4 月、最後の4 年制学部卒の薬剤師が社会に出てくる。いよいよ6 年制時代への突入である。

 それに呼応するように、認定実務実習指導薬剤師や各種専門薬剤師など、研修や生涯学習に関する話題が多くなってきた。その一つとして日本薬剤師会が推し進めるのが、すべての薬剤師が身に付けるべき「プロフェッショナル・スタンダード」であり、段階的な生涯学習システムと位置付けられる「クリニカルラダー」である。これらは、社会評価に耐え得る薬剤師育成の柱となるであろう。

 そのうちクリニカルラダーを和風に表現するなら、さしずめ“番付”といったところか。番付といえば、町中で関取に遭ったとき、ほとんどの人はそれが力士とわかるであろう。十両以上の関取には、大銀杏を結い、羽織袴を着ることが許されているからである。

 しかし、ざん切り頭の序の口では、ただの浴衣を着た体の大きな青年としか思われないかもしれない。角界では身なりからして、整然と格付けが行われているのである。

 薬剤師はもちろん大銀杏も結わないし、普段から羽織袴を着る人もいない。身なりで格付けを行うのではなく、薬剤師として得た知識、技術、研さんの積み重ねによって、おのずと格付けが決まる。はたから見ればレベルの差はわかりにくいが、そこには目に見えぬ格付けである“番付”が存在している。

 よく考えてみると、身なりで格付けを表している大相撲にしても、実際はまわし一枚、裸で勝負し、実力で番付が決まるのである。薬剤師も一度すべての肩書を捨て、裸になって勝負する時を迎えているのではないか。

 それにより、患者から、社会から認められ、「顔の見える」薬剤師が生まれる。誰からも信頼され、何事も受け止められる薬剤師が。そう、まさしく横綱相撲が取れる薬剤師が。

(結城 真吾)

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