薬剤師道一直線

一、薬剤師たる覚悟を新たにせよ(後)

 「あなたは薬剤師ですか?」という問いに、「はい、そうです」と迷いなく答えられるだろうか。自覚と責任と、そして自信を持って。

 しかるに、ひとたび「はい、薬剤師です」と答えたなら、天地がひっくり返ろうとも、薬剤師としての責務を全うしなければならない。会社の規則や薬剤師会の規定はもちろん、働く時間の長短や給与なども全く関係はない。すべてにおいて、薬剤師であることが最優先されなければいけない。

 これは簡単なことではない。自分自身の薬剤師としての「魂」が試されるということでもある。

 薬剤師としては、カッコいいことを言える場面ばかりではない。時には家族を犠牲にしなくてはならないかもしれない。時には自分自身を押し殺さなければならないかもしれない。それでもやらなければいけないことが、薬剤師には数多くあるのである。

 涙し、涙枯れ果てる日もあろう。迷い、疑い、自暴自棄になるときもあろう。だが、ひとたび薬剤師となった以上、前へ進まなければならない。そこには経営者も、常勤も、非常勤もない。あるのは「自分は薬剤師である」という覚悟である。薬剤師免許証を交付されるときに、自分自身で決めた覚悟である。

 そしてもう一つ考えてほしい。自分独りで薬剤師になれたのではない。多くの人々に支えられて薬剤師になれたということを。多くの人々への恩に報いるためにも、職務を全うする義務がある。すべての患者さんのため、いやすべての国民のため。あらん力の限り。

 あなたならできる。薬剤師の「魂」を持っている限り必ずできる。

 そして、いつの日か再び聞かれるであろう。道端で、見も知らぬ人から「あなたは……薬剤師ですね」と。人は自分の存在を自分では決められない。他人によってしか決められないのである。

(結城 真吾)

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