薬剤師道一直線

1、非常時を想定し鍛錬せよ

 突然ですが、問題です。「薬剤師であるあなたが、もし大きな災害に遭って、何か一つだけ持って逃げることができるとしたら、何を選びますか?」──。
 薬剤師であろうがなかろうが、お金や貴重品、非常食やテント、はたまた恋人や家族の写真を持って逃げたいのが人情であろう。しかし、今回はそれらは横において、国民の健康な生活を確保する義務がある薬剤師として何を持ち出すべきかを考えてみてほしい。
 薬の判別や作用、副作用を確認するための医薬品事典か、調剤に欠かせない使い慣れたスパーテルか、患者に薬を飲んでもらうための水か、はたまた災害救急用医薬品袋を持ち出すべきなのか──。
 実は上の答えは、すべて正解である。つまり薬剤師として災害時・非常時に持ち出すものは、それぞれの薬剤師によって、置かれた状況や必要に応じて違っていて一向に構わない。大事なことは、自分が持ち出したものをいかに生かすかである。そのための知識の習得や技術の鍛錬が、日ごろできているかなのである。
 仮にスパーテルを持ち出せたとしても、例えばカマひとさじが何gかを知っていなければ、電子天秤のない状況下では使い物にならない。服用するのに多くの水が必要とされる医薬品が何かを知っていても、少ない水で服用させる技術を持っていなければ、貴重な水を無駄に使ってしまうかもしれない。災害時・非常時に泰然と薬剤師業務が遂行できてこそ、薬剤師道を極めた薬剤師といえるだろう。だからこそ、日ごろの鍛錬が欠かせないのである。
 ところで、災害時に持ち出すものとして『日経DI』と答えた人がいたとしたら素晴らしい。ん? たき火に使うため? それはダメ。なぜって、この雑誌では萌(燃)えませんから。

(結城 真吾)

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