薬剤師道一直線

一、10年後の自分を思い描け

 あなたは今、「10年後の自分vを想像できるだろうか? 30歳の人は40歳の自分を、40歳の人は50歳の自分を、そして50歳の人は60歳の自分を──である。環境問題にありがちな、「10年後など地球そのものが……」という議論はおいておくとして。
 あなたは今日と同じく、10年後も調剤室で、散剤を計量・混合して、鑑査し、投薬し、服薬指導し、振り返れば薬歴の山──という日々を送っているだろうか。いや、送っていられるだろうか。
 もっとも10年もすれば、技術革新により調剤方法が劇的に変わっている可能性もあるので、今のような調剤風景や投薬・服薬指導風景は見られなくなっているかもしれない。個人のレベルでいえば、薬剤師の専門化が進み、複数のアドバイザー資格を取得した人が多くなるであろう。「お薬説明アドバイザー」なる、訳のわからないアドバイザーまで出てくるかもしれない。薬剤師免許そのものも、グローバル化して世界標準薬剤師免許が主流になっているかもしれない。いや、宇宙人薬剤師がいたり、ロボット薬剤師がすべてをこなしているかも……。
 さて、ちょっとここで、10年前の自分を思い出してほしい。10年前も今日と同じように調剤室で、散剤を計量・混合して、鑑査し、投薬し、服薬指導し、振り返れば薬歴の山──であったことを。ただただ患者さんの笑顔のために。間違わなくて当たり前、正確で当然の世界で10年、よく頑張ってきた。頑張ってきたからこそ、明日があり、1年後、5年後、10年後があるのである。
 だから、10年後の自分も「当然、薬剤師である」と胸を張って言えることが、どれだけ素晴らしいか。さ、もうひと10年、頑張りましょう! あなたも、私も、そして『日経DI』も。遅ればせながら、祝!『日経DI』創刊10周年。

(結城 真吾)

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