薬剤師道一直線

一、日々の仕事こそ荒行と心得よ

 今年も厳しい修行が行われている比叡山延暦寺。そこでの修行はまさしく荒行である。中でも「千日回峰行」と呼ばれる修行は、7年間に1000日を掛け、延べ4万kmの距離を巡拝する厳しいもの。修行僧は、白装束にぞうり履きという出で立ちで、修行が続けられなくなった際に自害するための首つりひもと短剣を携える。まさに命懸けの修行である。
 白装束といえば、われわれ薬剤師も白衣という名の白装束を着ている。もちろん衛生面を考えてのことなのだが、ここでは仕事を命懸けで行う修行者として、白衣(びゃくえ)をまとっていると思いたい。
 では、薬剤師にとっての修行、荒行とは。
 例えば、カプセル剤540カプセル外し(もちろん手作業で)や、ファンギゾンシロップ1日分ずつ90日分注、5人兄弟全員クラバモックス水剤調剤などは、結構な荒行と言えるのではなかろうか。真夜中の緊急電話による2時間ぶっ通しの不眠相談や、薬の量が減ったのに調剤料が増えて自己負担が上がったときの患者さんへの説明なども、精神面における荒行と言えよう(これらはすべて、筆者の薬局で実際に行っている修行である)。
 しかし、本当の荒行は日々の仕事そのものである。なぜなら絶対に失敗の許されない状況下で、常に100%の成功率で仕事を成し遂げなければならないからである。だからこそ日々、技術を磨き、知識を習得し、いついかなるときも心乱さず調剤が行えるように、研さんを積むのである。“不敗調剤”は、日常における荒行にほかならない。
 千日回峰行では何万回となくお経を読む(唱える)。それと同じように、読者の皆さんも何万回となく『日経DI』を読もう。隅から隅まで、一行たりともおろそかにせずに。
 筆者も修行せねば。原稿一行の中に、誤字や脱字がないように。荒行ならぬ粗行(粗い行)とせぬためにも。

(結城 真吾)

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