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精巣切除により「男でなくなった」という夫、どうしたら力になれる?

<質問>

夫はがん治療の一環として片方の精巣を取りました。その結果、「男でなくなってしまったようだ」と口にし、セックスに対する欲求がまったくありません。でも夫はまだ56歳です。どうしたら力になれるでしょうか。支えになろうと努力しているのですが、それがかえって夫婦関係を損ねてしまっています。

<回答者>Lindsay Nohr Beck氏、がんサバイバー

がん患者に生殖関連の情報提供とサポートを行っている全米規模の非営利団体「Fertile Hope」の創設者・理事、自身も20代で舌がん再発を経験

 がんがもたらす大きなストレスは、エネルギーを消耗させて、自信や自負心を脅かすことがあります。ご主人のがんが精上皮腫だとすれば、がんがあるほうの精巣を切除し、両側後腹膜リンパ節郭清(一連のリンパ節の切除)と放射線治療が行われたのではないかと思います。がんが他の部分に広がっていたのであれば化学療法も行われたかもしれません。リンパ節郭清の際、一部の神経に損傷が生じることがあります。すると、逆行性射精(精液が膀胱内に入ってしまう現象)が生じて「ドライオルガズム」(射精を伴わないオルガズム)を引き起こすこがあります。

 睾丸摘除術(精巣切除術)を受けた後、性的興奮やオルガズムが得られにくいのではないかという心配や、性欲の低下、精巣を失ったことによる羞恥心があるのは自然なことです。このことを理解しておくと、ご主人をサポートしたり、ご主人の性欲喪失という今の状態に対処したりしやすくなるかもしれません。ご主人の性欲喪失が数カ月以上続くようでしたら、がん患者のニーズに精通したセックスセラピストやセックスカウンセラーに相談されるのがよいと思います。

 手術、化学療法、放射線治療などのがん治療は体力を著しく消耗させることがあり、その結果、たとえ外見に目立った変化がなくても、自分の身体に対するイメージが変わってしまうことがあります。鎮痛剤や制吐剤を使うことで、また全般的な疲労感によって、男性としての自負を傷つけられる人もいます。

 また人によっては、病気になったということ自体で自分の性的なアイデンティティや反応に疑問を抱くようになり、それが性的能力の自信に影響することがあります。特にがんの場合は、重大な病気であるだけに、患者さんは性的な心配について質問するのを恥ずかしがってしまうことが少なくありません。セックスのようにそれほど重要でないことを心配するのは的外れだ、と感じてしまうのです。

 抱きしめる、身体に触れる、キスをするなど、性交以外の愛情表現も大切な行為であることを忘れないようにしてください。ご主人には、自分のポジティブな面や、回復の過程で二人にできる愛情表現に目を向けるように促してさしあげるのがよいと思います。

 男性がん患者とそのパートナー向けの優れた書籍として、Dr. Leslie Schoverによる著書が2001年に米国がん学会から出版されています。

(監修:国立病院機構四国がんセンター 青儀 健二郎)

This discussion was originally presented on April 24, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年4月24日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2008年2月 5日