このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん
11歳の骨肉腫の息子、将来子供を持つために今できることは?

<質問>

私の息子は骨肉腫の治療を受けています。まだ11歳で、思春期に達していません。将来子供をもてるように、今できること、しておくべきことはありますか。

<回答者>Lindsay Nohr Beck氏、がんサバイバー

がん患者に生殖関連の情報提供とサポートを行っている全米規模の非営利団体「Fertile Hope」の創設者・理事、自身も20代で舌がん再発を経験

 息子さんに適した生殖能力の温存方法があるか、あるならばどれがよいのかを判断するには、息子さんの治療に関連するリスクを知っておくことが大切です。

 現在のところ、思春期前の男性に適用できる唯一の生殖能力温存法は、精巣組織の凍結保存です。がん治療が始まる前に外来手術で精巣組織をいくつか採取します。採取された組織片は凍結され、将来使用するまで保存されます。将来に可能性を残せる方法ですが、まだ妊娠に至ったケースはなく、実験的な段階の技術だとみなされています。

 骨盤部に放射線治療を行うのであれば、精巣組織をシールドで覆うという方法が適用できるかもしれません。これは、骨盤部の上に金属シールドを置いて、精巣をダメージから守るというものです。散乱した放射線がいくらかダメージを与える可能性はありますが、シールドによって精巣の総照射量が減るので、生殖能力への影響が少なくなります。

 治療完了後、生殖器系の成長や発達にがんの影響が出る可能性があることも知っておいていただきたいと思います。男性の思春期は通常13〜15歳ごろから始まりますが、精巣や脳のホルモン産生領域(脳下垂体など)に放射線治療を行うと、発達に影響が出ることがあります。これらは男性ホルモンのテストステロンを作っている領域で、放射線治療によってテストステロン産生が影響を受けると、思春期が早まったり遅れたりすることがあります。

 思春期早発症(思春期が正常より早まること)はテストステロンが過剰な場合に起こるもので、9歳より前に骨が急速に成長し、精巣も大きくなります。いずれの症状も薬によってコントロールすることができます。

 思春期遅発症(思春期が正常より遅れること)はテストステロンが足りない場合に起こるもので、思春期が正常より大幅に遅れたり、あるいは全くなかったりします。ホルモン補充療法(HRT)によって思春期を開始させ、その後も男性性徴の発達を維持させるという治療が行われます。

 ひげや体毛、声変わりなど、思春期の徴候(第二次性徴)によく注意し、早すぎたり遅すぎたりする場合は医師に相談してください。

(監修:国立病院機構四国がんセンター 青儀 健二郎)

This discussion was originally presented on April 17, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年4月17日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

チームオンコロジー.Comは、患者さんと医療者、またご家族とのコミュニケーションの話題を中心に意見を交換する場(掲示板「チームオンコロジー」)を設けております。上記の内容について、ご質問ご意見がある場合は、この掲示板をご利用ください。

2008年1月29日