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23歳で精巣がん、生殖能力を残すために治療前にすべきことは?

<質問>

私の息子は23歳で、先日精巣がんと診断されました。将来父親になる可能性を残せるよう、治療開始前の今の時点でしておくべきことはありますか。

<回答者>Judith Shell氏、登録看護師・博士

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フロリダ州Osceolaがんセンター勤務、がん専門看護・がん専門上級看護資格取得、夫婦・家族療法のフロリダ州免許保持

 精子バンクは、息子さんが生殖能力を温存する方法として、シンプルで有効性もかなり確立されている方法です。多くの男性が、がん治療前に精子バンクに精子を預けて、実際に子供を授かっています。

 精子バンクは米国の各地に設置されており、基幹病院やがんセンターと連係しているところも多数あります。精子を預けるにはまず予約を取ります。当日は個室に案内され、自身で精液を専用の容器に採取します。精液は分析後に凍結保存されます。精子バンク施設に行くときに家族や友人が同行するのは、気が散る、あるいは恥ずかしいという人もいます。息子さんも同じように感じられるかもしれません。いずれにしても心理的に負担のかかることですから、一人で行くか、息子さんに余分なストレスをかけない人に同行してもらうか、ご本人が望むようにしてあげてください。

 精液採取を複数回行う場合、以前は2〜3日の間隔を空けることとされていましたが、最近の研究により、24時間後でも精子の量や質は同じであると報告されました。ですから、毎日連続して採取することもできます。ただし1日2回以上の採取はすべきではありません。万一、精子数が少なくても、妊娠の可能性を高める新しい生殖技術が多数ありますので、精子バンクを利用する価値はあると思います。卵細胞質内精子注入法(ISCI;顕微授精法ともいう)という比較的新しい方法は、精子数が非常に少なくても妊娠できる可能性が高いと報告されています。

 精子バンクに預けた精子は、使用時まで何年間も凍結保存することができます。

 骨盤部に放射線治療を行うのであれば、シールドの利用を考慮してもらうとよいかもしれません。これは放射線を防御する特殊なシールドを片方または両方の精巣の上に載せて照射するという方法で、生殖能力が損なわれるリスクが少なくなります。ただし、散乱した放射線が精巣に到達して損傷を与えることもあり、また、化学療法に対する防御効果はなく、完璧な方法ではありません。シールドの成功率はまだ明らかになっていません。

(監修:国立病院機構四国がんセンター 青儀 健二郎)

※編集部注釈
 国内の医療機関でも、男性がん患者を対象に、精子の凍結保存を行っているところはあります。精子の保存を望む場合は、主治医に相談してください。

〔関連サイト〕
日本癌治療学会の悪性腫瘍治療前患者の配偶子凍結保存に関する倫理委員会の見解

This discussion was originally presented on April 12, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年4月12日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2008年1月22日