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標準治療と臨床試験どちらを受けるべき?

<質問>

4年前、母に乳がんが見つかりました。臨床試験に参加して治療を受け、今のところがんがない状態が続いています。ところが今度は父が大腸がんと診断されました。今、本人と家族でどのような治療がベストか検討しているところです。初期の大腸がんに対する標準治療は非常に成績が良いと聞きました。標準治療と臨床試験のどちらを受けるのがよいかについて、意見を聞かせてください。

<回答者>Robert Mayer氏、医師

Dana-Farberがん研究所腫瘍内科・学術担当副責任者、Brigham and Women's病院上級医師、Massachusetts総合病院医師、Harvard大学医学部教授

 臨床試験に参加すれば標準的な治療を受けるより必然的に良い結果が出るはずだと、多くの人が考えるようになっています。臨床試験とはつまるところ、ヒトを対象とした実験であり、ボランティアで参加した患者さんに対して、(必ずしもではありませんが)通常は新しい治療法が、比較的標準的なやり方で行われます。

 患者さんは試験に参加することによって、治療の有効性や、患者さんが治療にどの程度耐えられるかという耐容性に関する詳しい情報をデータ収集センターに報告する許可を医師に与えることになります。データ収集センターには、同じ治療を受けた他の患者さんのデータも収集されます。試験に参加すると、通常はがんの専門家が患者さんのケアやスケジュールを管理します(ただし、そうでない場合もあります)。この専門家は、一般的な専門家よりそのがんの種類に精通している場合もあります。診察や血液検査、画像検査などが通常の治療より頻繁に行われます。また、これも必ずしもではありませんが、臨床試験以外では受けられない新しい治療法が受けられる場合もあります。

 臨床試験で得られる情報は、標準的な治療法に新たな進歩や発展、変化をもたらしてくれるので、臨床研究者としての私は、患者さんに臨床試験への参加をできるだけ勧めるようにしています。しかし、がん専門医として私が最も責任を負っているのは患者さんの幸福と満足であり、臨床試験への参加を望まない患者さんには標準的な治療を行っています。ただ、知っておいていただきたいのは、今日標準的な治療法とされているものは、同じ決断に直面した患者さんが勇気を出して参加した過去の臨床試験によって有効性が認められたからだということです。臨床試験が治療の進歩を可能にしてきたのです。

(監修:岡山大学医学部 松岡 順治)

This discussion was originally presented on March 22, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年3月22日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2008年1月 8日