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結腸がんや直腸がんの再発を防ぐ方法は?

<質問>

結腸がんや直腸がんの再発率はどのくらいですか。どうすれば再発を防げますか。治療後の経過観察ではどのような検査が行われますか。

<回答者>Robert Mayer氏、医師

Dana-Farberがん研究所腫瘍内科・学術担当副責任者、Brigham and Women's病院上級医師、Massachusetts総合病院医師、Harvard大学医学部教授

 結腸がんや直腸がんの手術後の再発率は、腫瘍のステージ(病期)によって異なります。

 ステージは、1)腫瘍が腸の管壁にどこまで深く浸透しているか(T)、2)腫瘍が近くのリンパ節まで広がっているか(N)、また、広がっている場合はそのリンパ節の数、3)腫瘍が他の臓器まで広がっているか(M)、という3つの尺度によって判定されます。

 ステージ1(腸管壁への浸潤が比較的少なく、リンパ節や他の臓器に広がっていない)の場合、手術によって治癒する可能性は90〜95%です。ステージ2(腸管壁への浸潤はステージ1より深いが、リンパ節や他の臓器には広がっていない)の場合、手術だけで治癒する可能性は75〜85%で、術後の補助化学療法によってこの数値が向上するか否かについては意見が分かれています。

 ステージ3の結腸がんや直腸がんとは、がん細胞が近くのリンパ節に広がっているが、離れた臓器には広がっていない状態をいいます。手術だけで治癒する可能性は、転移リンパ節の数によって異なりますが、45〜60%です。

 術後化学療法によって、手術だけの場合より治癒率が有意に向上しうるという点について、研究者の意見はおおむね一致しています。ステージ2やステージ3の直腸がんでは、手術でがんを切除した後の補助療法のひとつとして、化学療法に加えて放射線治療も行われるのが普通です。最近では、手術前の初期治療としても放射線治療が利用されています。

 一般的に、結腸がんまたは直腸がんを手術で取った人は、5年ほど定期的な診察を受けるべきだとされています。というのも、再発が起きる場合はほぼ間違いなく5年以内に生じるからです。また、この経過観察では、最初の手術から約1年後と、それから3年ごとに、大腸内視鏡を行うべきだとされています。内視鏡検査の目的は、手術中に腸を縫い合わせた部分の再発を発見することではなく(そのような吻合部再発は非常にまれです)、ポリープが新たに生じていないか確認し、あれば切除することにあります。ポリープは放置しておくとがん化することがあるからです。

 がん胎児性抗原(CEA)という血液検査を術後5年間、3カ月ごとに受けることも、全員ではありませんがほとんどのがん専門家が推奨しています。CEAとは腫瘍細胞から血液中に放出されるタンパク質で(ただし、炎症を起こした腸や気管支の上皮細胞からも放出されることがあります)、値の上昇が続く場合は、症状が出たりあるいは画像検査で異常が見つかるよりずっと前に再発を予測することができます。一般的な血液検査も、手術後6カ月ごとに受けることを多くのがん専門家が推奨しています。

 胸部X線撮影、CT、あるいは新しい検査法であるPETなどを年1回ないし2回行うことの価値については、意見が分かれています。これらの画像検査は高額であるうえ、現時点では、生存期間が延びる可能性が高くなるかどうか、きちんと計画された臨床試験によるデータがありません。治癒できない再発を数カ月早く発見できるだけでは、このような検査を広く行う正当な理由にはならない、と多くの専門家が指摘しています。とはいうものの、多くのがん専門家は、手術後2〜3年はこうした画像検査を年1回行うことを推奨しています。

(監修:岡山大学医学部 松岡 順治)

This discussion was originally presented on March 15, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年3月15日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2007年12月25日