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11歳で骨髄移植を受けた息子が遠方に引っ越す、どんな診療記録を持たせるべき?

<質問>

息子はホジキンリンパ腫の治療のため、5年前に11歳で骨髄移植を受けました。来月、大学入学のため家を離れて生活を始めますが、どのような診療記録を持たせたらよいでしょうか。また、骨髄移植や放射線治療、化学療法による長期的な副作用で注意すべきものはありますか。

<回答者>Melissa Hudson氏、医師

St. Jude小児研究病院 血液学・腫瘍学部門常勤医師、Tennessee大学医学部健康科学センター小児科教授、After Completion Therapy Clinic責任者

 小児がんを経験した若い人が新しい地域に引越すときは、それが一時的なものであっても(大学に関係する引越しなど)、その地域で治療を引き継いでくれる医師を探しておく必要があります。このことは、再発の病歴がある場合や、骨髄移植などの治療を要した場合、慢性的な症状が残った場合には特に重要です。体調が良いときに予約を取り、がんの治療歴の詳細を医師に伝えるとともに、後々のための比較基準となる診察や検査を受けておくのがベストです。そうすれば、何か新しい問題が生じて受診したとき、医師も適切な対応がしやすくなります。

 少なくとも、がんの診断、治療、今後の健康上のリスク、推奨される検診項目などをまとめた文書のコピーは必ず息子さんに持たせてあげてください。この文書には、息子さんが治療を受けた小児がんセンターと、健康上の問題が生じたときに連絡を取れる主治医の連絡先(名前、住所、電話番号)も入れておきます。がんやその治療、現在服用中の薬によって生じる可能性がある慢性的症状のリストも含めておくとよいでしょう。例えば、ホジキンリンパ腫で頸部への放射線照射を受けた人によく見られる症状として、甲状腺機能低下症があります。このような慢性的症状や、甲状腺ホルモン薬の種類と用量、その処方と甲状腺機能の診察を担当している内分泌科医などの医師についても記載しておきます。この文書を常に手元に置き、新しく受診する医師や大学の健康センター(場合によってはその両方)にコピーを渡すように息子さんに話してください。

 息子さんは11歳でホジキンリンパ腫に対する骨髄移植を受けたとのことですが、この場合、長期的な副作用のリスクは、化学療法の内容と、放射線治療を受けたのであればその照射部位の臓器によって異なります。ホジキンリンパ腫によく用いられる治療法は、歯の健康状態、甲状腺や心肺の機能、生殖能に影響を及ぼすことがあります。また、治療によっては、2次がんの発生リスクが高くなるものもあります。がんが治療に反応しない、あるいは再発したという理由で骨髄移植を受けた人ではこれらのリスクが高くなる可能性があります。とはいえ、小児に対する化学療法や放射線治療の用量は、通常、こうしたリスクができるだけ少なくなるように安全な水準に制限されています。がんを治療した主治医は息子さんが受けた治療の詳細をよく知っていますので、息子さんの骨髄移植後の健康リスクについて、より具体的な情報を提供してくれるはずです。

(監修:岩手医科大学 柏葉 匡寛)

This discussion was originally presented on August 7, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年8月7日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2007年10月 9日