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膝と股関節の痛みは9年前、17歳で受けたALLの治療に関係する?

<質問>

17歳のときに急性リンパ性白血病(ALL)を発症し、寛解状態になって9年が経ちます。最近、関節の症状があり、膝と股関節が痛みます。姉はがんの治療と関係があるのではないかと言うのですが、そういうことがあるのでしょうか。診察を受けたほうがよいですか。

<回答者>Melissa Hudson氏、医師

St. Jude小児研究病院 血液学・腫瘍学部門常勤医師、Tennessee大学医学部健康科学センター小児科教授、After Completion Therapy Clinic責任者

 治療方法によっては、骨への血液供給が妨げられて関節に症状が起きることがあります。血液供給が妨げられると骨が弱くなって壊れやすくなります。これを骨壊死といいます(虚血壊死や虚血性骨壊死ともいいます)。関節付近の血液供給が妨げられると、関節の表面が壊れて痛みや炎症が起きることがあります(関節炎)。がん治療によく使われる治療で骨壊死との関連性が知られているのはステロイド剤(プレドニゾンやデキサメタゾンなど)です。ステロイド剤は小児の急性リンパ性白血病にも一般的な薬として使われています。また、骨髄移植を受けた人も骨壊死になるリスクがあります。

 骨壊死は、治療完了から年月が経ってから起こるのではなく、治療中に起こるのが普通です。ですので、あなたの骨痛の経過は骨壊死に典型的なものではありません。骨壊死を調べるには、通常まずX線検査を行いますが、症状が進んで関節の損傷が大きくなってからでないと変化が見られない場合もあります。初期の骨壊死の診断に特に役立つ検査の1つがMRI(核磁気共鳴法)です。関節痛についてかかりつけの医師に相談し、骨壊死の有無を調べるためX線またはMRIを撮影すべきかどうか意見を求めてください。骨壊死と診断された場合や関節痛が続く場合は整形外科医、画像検査で骨壊死でないと考えられる場合はリウマチ専門医(関節炎の専門医)に紹介される場合もあります。

(監修:岩手医科大学 柏葉 匡寛)

※監修者注釈
 成長中の骨は抗がん剤の影響を受けやすいため、抗がん剤治療中、または治療終了後に抗がん剤の副作用として骨粗しょう症が生じることがあります。そのため、10代で抗がん剤治療を受けた場合は、ここで回答されている骨壊死よりも、骨粗しょう症の発症リスクが高くなります。また、骨粗しょう症は薬剤で治療できます。

This discussion was originally presented on August 7, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年8月7日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2007年10月 9日