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小児がん経験者の健康管理はどうしたら?

<質問>

私は、まだよちよち歩きの頃にウィルムス腫瘍の治療を受けて治癒し、それ以来、比較的健康的に通常の生活を送っています。ただ、子供の頃にがんがあった人は、大人になってからリスクが高い可能性があるということを目にします。私は何らかの専門医を受診したほうがいいでしょうか。昔の治療の記録がないといけませんか?記録を入手するための手続きがあるのでしょうか。アドバイスをよろしくお願いします。

<回答者>Melissa Hudson氏、医師

St. Jude小児研究病院 血液学・腫瘍学部門常勤医師、Tennessee大学医学部健康科学センター小児科教授、After Completion Therapy Clinic責任者

 小児がん治療後の健康上のリスクは、治療時の年齢、がんの種類、がんの発生部位、治療(手術、化学療法、放射線治療)の種類と量によって異なります。ですから、がんサバイバーの人は、がん治療完了後のケアに携わる医療者と情報を共有できるよう、がんと治療の概略を手元に持っていることがとても大切です。

 この概略を作成するのに必要な情報としては、病理診断結果、手術記録、化学療法や放射線治療の記録、治療中や治療後の合併症に関する入院中や診察時の記録などが必要です。もっとも良い方法は、子供の頃のがん治療を担当した医師に依頼して、診断と治療の内容、今後の健康上のリスク、推奨される検診をまとめた文書を作成してもらうことです。それができない場合は、治療を受けたがんセンターの診療記録部門に連絡を取り、自分の診療記録を入手したいと申し出てください。診療記録を現在の主治医に開示するように依頼することもできます。

 がん履歴の詳細がわかれば、Children's Oncology Group(小児がんグループ)の「Long-Term Follow-Up Guidelines for Survivors of Childhood, Adolescent and Young Adult Cancers(小児・思春期・青年期がんサバイバーのための長期フォローアップ指針)」などの情報源が利用できます。この指針には、小児がんの治療に用いられている一般的な化学療法薬、照射部位、手術方法に関する健康上のリスクの情報が記載されています。

 一部の大学やがんセンターでは、小児期のがんの後に起こりうる健康上の問題や長期的な影響を専門に扱うプログラムを運営しています。これらの小児がんサバイバークリニックでは、総合的な検診とともに、がんの後に生じる問題や健康を保つ方法についてカウンセリングを行っているのが普通です。Association of Cancer Online Resources(ACOR:がんオンライン情報源協会)では小児がんサバイバークリニックのリストを作成しています。このリストに掲載されるには、サバイバークリニック専用の時間と場所が月2回以上確保されていなければなりません。現在、20以上の州にある合計30カ所以上の診察室が掲載されていますが、小児や10代のサバイバーだけを対象としたものと、成人のサバイバーにも対応しているもの、そして過去に小児がんの治療を受けた成人だけを対象としたものがあります。

 サバイバーの多くは、家庭医や内科医といった地域の医師に診てもらっています。小児がんは比較的まれであるため、がんセンター以外でこの領域に精通した医師を見つけられる可能性はあまりないのが実情です。過去に小児がんの治療を受けた成人が受け持ち患者の中に1人か2人いるという医師もいますが、そうした患者が1人もいないという医師が多いでしょう。がん治療の履歴やChildren's Oncology Groupのガイドラインなどの情報を共有することによって、地域の医師も小児がんサバイバー特有の医療ニーズをよりよく把握し、自信を持って診療に当たることができるでしょう。

(監修:岩手医科大学 柏葉 匡寛)

※編集部注釈 国内では、小児がん経験者の長期的な健康管理を支援する医療施設は、米国ほど整備されていないのが現状ですが、がんの子供を守る会などの小児がん患者の支援団体による相談窓口は開設されており、利用可能です。

This discussion was originally presented on August 7, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年8月7日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2007年10月 9日