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乳がん治療薬による心臓への悪影響とは?

<質問>

私の所属している支援グループでは、乳がん治療薬によっては心臓に悪影響が出ることが話題になっています。どの薬がこれに該当しますか。また、リスクはどの程度ですか。

<回答者>Ann Partridge氏、医師・公衆衛生学修士

Dana-Farberがん研究所、乳がん専門の腫瘍内科医、Harvard大学医学部助教授

 乳がんの治療を考える際には、乳がんの潜在的なリスクに照らして、各治療法のメリットとリスクとを慎重に比較しなければなりません。一般的に、治療のメリットは病気のリスクと相関します(病気のリスクが高いほど治療によるメリットは大きくなります)。一方、ある個人に対する治療のリスクは概ね一定しています。

 乳がん治療薬の多くに心機能障害のリスクがあります。例えば、ドキソルビシン(商品名「アドリアマイシン」)による化学療法は、初期の乳がんに対する最も一般的な方法で行った場合に、約1%の心不全リスク(時として非可逆性の心筋障害)があります。トラスツズマブ(商品名「ハーセプチン」)は、いくつかの研究で、さらに高いリスク(最大4〜5%)が見出されています。しかし、乳がんの治療にこれら薬剤の使用を考える場合は、心臓やその他起こりえる小さなリスクよりも、がんの再発リスクを低下させたりがんをコントロールしたりするというメリットのほうが明らかに大きいのが普通です。

 治療に関連するリスクは、その人の年齢やこれまでの病歴によっても個人差があります。ほかに、心臓に対するわずかなリスク(1%未満)が報告されている一般的な薬としては、パクリタキセル(商品名「タキソール」)、高用量のシクロホスファミド(商品名「エンドキサン」)フルオロウラシル(商品名「5-FU」)があります。また、まだ限られたデータしかありませんが、タモキシフェンやアロマターゼ阻害薬などの一般的なホルモン剤も心機能障害のリスクをわずかに上昇させるのではないかと懸念されています。

(監修:岩手医科大学 柏葉 匡寛)

This discussion was originally presented on August 1, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年8月1日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。

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2007年10月 2日