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登場人物ががんで死ぬ映画をみてひどく動揺

<質問>

がんが完治してから7年が経っています。今現在は、がんに関してあまり考えなくなりました。しかし、最近、登場人物の誰かががんで死ぬ映画(いつ借りたのかも覚えていないビデオですが)を見て、我を失いかけました。実際、トイレに行って自分を落ち着かせる必要がありました。こんな自分の反応に正直驚いています。これは正常な反応なのでしょうか?

<回答者>Susan Leigh氏、正看護士

看護学士、がんサバイバーコンサルタント、米国国立がん研究所科学コンサルタント委員会患者代理人、全国がんサバイバー連合創設者・元会長、がん看護協会所属。

 もちろん、私も含め多くのがん経験者に生じる、とても正常な反応ですよ。

 映画やテレビ番組、広告、結婚式、誕生日会、記念日、休暇中、検診時などなど、多くの場面で生じる反応です。反応を引き起こす何らかのきっかけによって、過去のトラウマや昔の恐怖感、悲しみが、よみがえるのです。

 「The Human Side of Cancer: Living with Hope, Coping with Uncertainty」という書籍のなかで、著者のJimmie Holland氏は、がん治療後に突然、頭を出すこの恐怖感を「グレムリン」と命名しています。「グレムリン」は完全に居なくなることはなく、それがそのおぞましい頭をもたげるタイミングについては、予測できる場合とできない場合があります。予測できる場合の例としては、フォローアップのための通院や診断テストの前後などです。

 多くのがん経験者が、フォローアップの通院の前には、胃が締め付けられるような症状を持ち、眠れず、イライラしているものです。また、初めてがんの診断を受けた日付が近づくと、不安感を持つ人もいます。

 一方、予測できない場合というのは、あなたが今回経験したような場合で、映画やテレビを見ていて、登場人物の誰かががんの診断を受けたときなどです。映画などの登場人物ががんになった場合、めったにいい結果にならないため、我々の恐怖はとても大きなものになるのです。

 「After Cancer: A Guide to Your New Life」のなかでWendy Harpham氏は、このような不安感を、「検診不安」「休暇不安」「記念日反応」などと命名しています。我々は、いろいろな方法を試しながら、これらの不安への対処法を編み出していかなければなりません。Harpham氏は、いくつかの対処法をアドバイスしているので、以下に挙げます。

・検診は、あなたが元気で健康であること、健康な生活を送っていることの確認のため、またあなたの人生を祝福するために行われているものと考えましょう
・休暇シーズンは、情緒不安になりやすいものです。すべての休暇を、あなたの人生とあなたが今行っていることをお祝いする日としましょう
・人生を祝福することを思い出すために、記念日(がんを初めて診断された日など)はいい機会であると考えましょう

 なんらかのきっかけが、我々はいつか死ななければならないということを思い出させます。死ぬことの恐怖に対応する方法は、各自で異なるものです。質問にあったような反応は、私達が自分自身の為にしなければならないことがまだある、と思い出させてくれます。しかも、自分ひとりで対策を考えるか、誰かの助けを求めるか、それも自分で決めなければなりません。まずは、私がお勧めした本や他の資料をお探しになりお読みになってはいかがでしょうか。

 (監修:桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授 伊藤 高章)

 

This discussion was originally presented on December 29, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年12月29日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイトPeople Living With Cancerに掲載されたものです。

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2007年5月 8日