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私を怒りのはけ口にする闘病中の妻への対応

<質問>

妻は腎がんで辛い毎日を送っています。そして、私を怒りのはけ口にしているようです。例えば、最近病院に行ったとき、診察が遅れて午後いっぱい病院で過ごしました。私は妻がイライラしているのがわかりました。病院にいる時、妻は「大丈夫よ」と言っていたのですが、帰途、私が車を運転している時に、妻は大声で叫び始めたのです。こうした問題について、妻と話し合いたいのですが、妻は答えてくれません。

<回答者>Les Gallo-Silver氏、ソーシャルワーカー

ACSW(Academy of Certified Social Workers会員)、LCSW-R(Licensed Clinical Social Worker)、Cancer Careの臨床プログラム責任者。

 最初に最も重要なことをお話します。奥様が叫んでいる時は運転をしないでください。車を停めてください。高速道路上なら、次の出口で降りてください。このような状態で運転するのは、大変危険です。

 奥様は、叫ぶことで危険な状態が生じるとは思っていないでしょうから、あなたが車を止めたり、高速道路から降りることで、もっと怒って叫ぶ可能性があります。しかし、これが最も安全な方法なのです。奥様が叫ぶことをやめてから運転を再開してください。

 奥様のお気持ちは重要で、お2人とも奥様が叫ぶ原因があなたの運転にあるのではないことを知っているはずです(誰かが隣で叫んでいることで運転が上手になる人はだれもいませんし)。叫ばなければいられないほど奥様が動転した時には、まず運転を止め、お2人で話をしてください。運転しているときには、なによりもまず、このことが最も明確で直接的な効果のある助言です。

 あなたご自身も、奥様の行動によって、取り乱したり、怒ったり、イライラしたりするかも知れません。あなたもそのイライラを乱暴な運転で紛らわそうとする可能性があるということです。よくあることです。

 あなたも奥様も、医者のところで待たされ、奥様が辛い状態にあることに気が付いていたはずです。奥様は、動転し、イライラし、怒り、悲しみ、他にも多くの感情を抱えていたのです。こうした場合、奥様があなたに向かって叫ぶことを止める方法はありません。

 お二人がしなければならないのは、このような事態が起こる前に、予防することです。奥様は、あまり自分の気持ちを聴いてもらえていない、と日頃から感じておられるのではないでしょうか?ご主人であるあなたとの関係でそうであるかどうかは分かりませんが、主治医との間では、明らかにそう感じておられる。

 物事がうまくいかず、今回のような遅延が発生したとき、ストレスや緊張に対処するために奥様はあなたの助けを必要としていたのです。例えば、音楽を聴いたり、本を読んだり、少し散歩する、手でボールを握ってまぎらわすなどの方法など。何らかの創造的な解決方法をいろいろ考えてみてください。

 同様な状況下でうまくリラックスするための方法を学んでいるがん患者さんはたくさんいます。あなた方2人は、いくつかのコミュニケーション方法を学ぶことで得るものがあると思います。1つの方法は「speaker-listener technique」と呼ばれる方法で、これによって非常に状況が改善したカップルもおります。

 また、American Psychosocial Oncology Society (APOS)のヘルプラインは、がん患者支援をしている、あなたの地域で活動しているメンタルヘルスの専門家を見つける手伝いをしてくれるはずです。奥様にリラックス方法を教えてくれる専門家や、ご夫妻のコミュニケーションを改善するための「speaker-listener technique」その他の技法に精通したセラピストを紹介してくれます。電話866-276-7443で連絡ができます。

 また、Cancer Careでも、がんによっていろいろな問題を抱えている人々向けにさまざまな情報を提供しています。「Doctor Can We Talk」という冊子やその他のコミュニケーションに関する情報も役に立つと思います。この冊子や他の教育的な資料はCancer CareのWebサイトからダウンロードするか、800-813-4673に電話して手に入れることができます。

 (監修:桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授 伊藤 高章)

※監修者注釈
 800で始まる電話番号は、米国内であれば通話料無料で話しができます。ただし、米国外からこの番号に電話することはできません。

※編集部注釈1
 「speaker-listener technique」とは、「語り手」と「聞き手」に役割を分担して、コミュニケーション方法を学ぶ技法です。「語り手」となった場合は、相手に自分が考えていることを明確に伝えるため、自分の話したことを相手に要約してもらい理解度をチェックしながら話を進めるなどのルールに従って話します。一方、「聞き手」になった場合は、相手の話を遮らない、自分の考えを差し挟まない、「語り手」の話を自分の言葉で要約し、理解しているかどうかを確認するなどのルールに従って聞く必要があります。

 

This discussion was originally presented on December 29, 2006 on www.plwc.org
この内容は、2006年12月29日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイトPeople Living With Cancerに掲載されたものです。

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2007年4月24日