肝がんとともに

肝がんの治療を受けた方へ

経済面での問題

■高額療養費制度の活用

 肝がんの治療を受ける際に心配なのは、お金がいくらかかるのかということです。肝がんの患者の多くが、既に慢性肝炎ウイルスに対するインターフェロン治療を受けているはずです。1カ月に7万円ほど治療費を負担していたという人もいるのではないでしょうか。インターフェロン治療については、治療費の助成が2008年4月から始まっていますが、もしかしたら、また膨大なお金がかかるのではないかと思えば、心配もひとしおでしょう。どのくらい費用がかかるのか、心配なときには、治療開始前に主治医に概算額を聞いてみるようにしましょう。病院のソーシャルワーカーに相談してみるという手もあります。

 さらに、自己負担を少なくできる公的な制度を上手に活用していきましょう。

 まず、一度に多額の治療費がかかるときには、高額療養費制度が利用できます。これは、1カ月の間に同じ医療機関に払った医療費が一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合、一部が戻ってくるという制度です。自己負担限度額は所得や年齢によって異なりますが、70歳未満で一般所得の人なら、「8万 100円+(総医療費−26万7000円)×1%」という式で計算できます。ただし、対象となる医療費は保険診療の治療費のみで、保険以外の差額ベッド代や入院した際の食事療養費や生活療養費といった自己負担額は含まれません。

 この制度を利用するとしても、窓口ではいったん多額のお金を支払わなければなりません。そこで、窓口での支払いが自己負担限度額のみで済む、別の制度が設けられています。事前に、社会保険事務所に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出して「健康保険限度額適用認定証」を受け取り、医療機関の窓口にこの認定証と保険証を提出すると、窓口で払う金額が少なくてすみます。肝がんと診断されて、入院が必要とわかった段階で、認定証を受け取っておくことが勧められます。急な入院などで認定証を持っていない場合には、医療機関の会計担当者に相談してみましょう。

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■税金の医療費控除を利用

 公的医療保険や民間保険などから支給された金額を引いても、1年間にかかった医療費自己負担額が10万円(総所得が200万円未満の人は所得額の 5%)を超えたときには、税金の医療費控除が受けられます。所得額から医療費が除かれることによって、所得税の税率に応じて、いわば医療費が戻ってくることになります。

 この医療費は、本人だけではなく、配偶者や同居している親族など、同じ世帯の家族全員の医療費を合わせて申告できます。がん治療での医療費だけではなく、家族の医療費や薬代などの領収書をすべて取っておくようにしましょう。また、温泉などの健康増進施設の利用料金や運動療法の実施施設の利用料金などは、使用証明書などが必要なこともあります。医療費控除についてわからないことがあれば、税務署や税務相談室に相談してみましょう。

 例えば、今年1月1日から12月31日までにかかった治療費に対して医療費控除を受けるためには、翌年の2月から3月の間に確定申告をする必要があります。この制度の「医療費」には、通院のための交通費や差額ベッド代、医薬品の購入費用などが含まれます。また、B型肝炎ワクチンの接種費用も含まれています。

 どのくらい医療費が戻ってくるかは、税率によって異なります。なお、非課税世帯はこの制度の対象にはなりません。同じ金額を申告したとしても、税率の高い人のほうが戻ってくる金額は多くなります。納税者が同じ世帯の中に複数いるときには、所得の高い人がまとめて申告したほうが戻ってくる金額や節税効果も大きくなるということです。

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