肝がんとともに

化学療法について

副作用について

 「肝癌診療ガイドライン」によれば、5-FUやUFTといった5-FU系の薬剤の副作用としては、食欲不振や悪心、嘔吐などの消化器症状、下痢、全身倦怠感、消化性潰瘍、口腔内潰瘍、骨髄抑制、ビリルビン上昇があります。

 シスプラチンなどの白金系薬剤では、主に好中球減少や血小板減少などの骨髄抑制、悪心や嘔吐などの消化器症状、腎障害、ビリルビン上昇があります。ドキソルビシンやエピルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤では、脱毛や好中球減少、消化器症状、粘膜炎、敗血症、心機能低下などがあり、エトポシドでは、脱毛、嘔気、好中球減少、血小板減少などが報告されています。

 分子標的薬について、ソラフェニブにおいては、主に手足症候群、皮疹、脱毛などの皮膚症状、下痢や食欲不振、悪心、嘔吐など消化器症状、高血圧などの副作用があるとされています。手足症候群とは、手のひらや足の裏に発赤や痛み、腫れ、水疱などができる皮膚症状のことです。いずれの副作用も、治療開始早期に起こることが多いとされ、治療開始後は慎重に対処する必要があります。

 また、早期から対処することで悪化を防ぎ、症状をコントロールすることが大切です。手足症候群は治療開始から継続して手や足の保湿に努めることで重症化を予防できると考えられています(詳しくは「手足症候群」の項を参照)。こうした副作用が強くなってしまうと治療の継続が難しくなってしまう可能性あります。ソラフェニブの市販後調査(中間解析)によると、日本において、副作用でソラフェニブの投与を中止した症例には手足症候群が理由だった方もいました。こうしたことからも、手足症候群のように重篤になることを予防できる副作用は積極的に対処していくことが大切なのです。

 なお、ソラフェニブを使った前向きの臨床試験において、治療開始から2カ月後に手足症候群が出現した患者さんは、出現しなかった患者さんに比べて生存期間が長いことが示されました。手足症候群が認められたからといって必ずしも生存期間が延長することにつながると言えるものではありませんが、少なくとも手足症候群が発生しても、そのことをネガティブにとらえる必要は無く、前向きに治療に取り組んでいくことが大切だと言えるでしょう。

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