TIAの急性期治療と脳梗塞発症防止

推 奨
1.
一過性脳虚血発作(TIA)を疑えば、可及的速やかに発症機序を確定し、脳梗塞発症予防のための治療を直ちに開始しなくてはならない(グレードA)。
2.
TIAの急性期(発症48時間以内)の再発予防には、アスピリン160~300mg/日の投与が推奨される(グレードA)。
3.
非心原性TIAの脳梗塞発症予防には抗血小板療法が推奨され、本邦で使用可能なものはアスピリン75~150mg/日、クロピドグレル75mg/日(以上、グレードA)、シロスタゾール200mg/日、チクロピジン200mg/日(以上、グレードB)である。必要に応じて降圧薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬など)、スタチンの投与も推奨される(グレードA)。
4.
非弁膜症性心房細動(NVAF)を中心とする心原性TIAの再発防止には、第一選択薬はワルファリンによる抗凝固療法(目標INR:70歳未満では2.0~3.0、70歳以上では1.6~2.6)である(前者グレードA、後者グレードB)。
5.
狭窄率70%以上の頸動脈病変によるTIAに対しては、頸動脈内膜剥離術(CEA)が推奨される(グレードA)。狭窄率50~69%の場合は年齢、性、症候などを勘案しCEAを考慮する(グレードB)。狭窄率50%未満の場合は、積極的にCEAを勧める科学的根拠に乏しい(グレードC1)。CEA適応症例ではあるが、心臓疾患合併、高齢などCEAハイリスクの場合は、適切な術者による頸動脈ステント留置術(CAS)を行っても良い(グレードB)。
6.
TIAおよび脳卒中発症予防に、禁煙(グレードA)、適切な体重維持と運動の励行が推奨される(グレードC1)。飲酒は適量であれば良い(グレードC1)。
脳卒中治療ガイドライン2009.,篠原 幸人 他, 脳卒中合同ガイドライン委員会 編: 78-84, 協和企画(東京); 2009

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