■PETの基礎知識|PET検査の特徴と有用性
 

  PET 検査には、がん検診として受ける PET 検査と、がんの精密検査として受ける PET 検査があります(→詳しくは「 PETとは ? 」)。ここではそれぞれの PET 検査における特徴(長所、短所)や有用性をまとめてみました。

 

PETによるがん検診の長所と短所

長 所

 

1. 短時間で全身のがんをチェックできる

「胃癌検診」「肺癌検診」といった部位別のがん検診と異なり、PET検査によるがん検診では、一回でほぼ全身を調べることができます。PET検査によって、通常の部位別検診でカバーしていない部分に、がんが見つかることもあります。

 

2.CTやMRIなどと組み合わせることで、相乗効果が発揮される

同じ画像診断でもCTやMRI検査は、体の中の組織や細胞の「かたち」を画像でとらえ、その異常を見つけます。これに対しPETは、細胞の「働き」を画像でとらえる検査法。癌細胞など、ブドウ糖に似た検査薬をたくさん取り込む細胞ほど、画像上明るく光ります。PET検査を組み合わせることで、違った種類の情報が加わり、CTやMRIなどの検査だけでは見つかりにくかったがんが、発見しやすくなります。

 

3.苦痛がほとんどない

検査薬を注射するときにチクリとするだけで、苦痛はほとんどありません。

 

短 所

 

1. 胃癌、腎癌、膀胱癌、尿管癌、前立腺癌などは見つかりにくい

PET検査では、検査薬の集まった部分が画像上で光ります。ですから腎臓や膀胱など、排泄に関係した臓器や、もともとブドウ糖の消費が多い臓器にできたがんは、発見しづらいことがあります。PETで見つけにくいがんについては、CTやMRIなど他の検査結果をもとに総合的に診断します。

 

2.検査代が高額

がん検診として受けるPET検査には、保険は適用されません(自費診療になります)。病院にもよりますが、費用はCT、MRI、超音波、腸瘍マーカーなどを含めた総合検診で通常10数万〜20万円程度かかります。

 

3.PET検査が受けられる施設が少ない

PETを導入する医療機関は増えつつありますが、現在のところ全国でPETによるがん検診を受けられる施設は70施設程度です。

 

4.放射線被曝がある

放射線をおびた検査薬を体内に注射するので、わずかですが放射線被曝があります。

 

 

がんの精密検査におけるPET検査の有用性

 がんの精密検査として行われる PET 検査には、次のような点で有用性が高く認められています。

 

1. 良性か悪性かを見極める

CTなどでは、疑わしい部分が写っていても、それが良性か悪性(がん)か判断できないことがあります。PET検査では、ブドウ糖を多く取り込む悪性の腫瘍しか写らないので、良性、悪性の鑑別を容易に行うことができます。

 

2.がんの進行度、転移・再発の有無を確認する

一度の検査で全身をスキャンできるPET検査は、がんがどの程度まで広がっているかといった、がんのステージ(病期)を判断したり、転移や再発がないかどうかを調べるのに役立ちます。これらを確認することは、その後の治療方法を決めるのにとても重要です。

 

3.治療効果を判定する

がんの治療には手術以外にも化学療法や放射線療法など、さまざまな方法がありますが、がんの種類やステージによって効果に差があります。治療効果を確かめる方法としては、CTやMRI検査で、実際にがんが小さくなったかどうかを見るのが一般的です。でもがん細胞は、小さくなる前に活動性が先に低下するので、PET検査を用いれば、CTやMRIより早い時期に、治療効果の判定をすることが可能です。そうすることでより速やかにその後の治療方針を検討することができます。

 
 

(保険適用について)

次のがんについては、精密検査におけるPET検査の保険適用が認められています(ただし、治療効果の判定は保険適用外)。 肺癌、乳癌、大腸癌、頭頚部癌、脳腫瘍、膵癌、悪性リンパ腫、転移性肝癌、原発不明癌、悪性黒色腫、食道癌、婦人科癌(子宮癌、卵巣癌)