■PET画像診断フォーラムについて|PET画像診断フォーラム開催報告第五回
第五回PET画像診断フォーラム
 
さる9月16日、札幌においてPET画像診断フォーラムの第5回会議が開催された。活動開始から2年間が経過した今回の会議では、全国のPET検査施設にがんの治療専門医からPET検査の依頼が増加していることを受け、がん検診の有用性を含め、PET検査の正しい知識のさらなる啓蒙活動を一般市民、がんの治療医、PET専門医に向けて行うことが確認された。

 会議の冒頭、PET画像診断フォーラム会長・鳥塚莞爾氏は、「近年、PET検査施設はほぼすべての都道府県に開設され、どこに住んでいても、比較的容易にPET検査を受けられるようになりました。がんの治療に伴う保険適用の検査も増加傾向にあります。これは、がんの治療に当たる先生方に、『がんの治療に対してPET検査は有用』という考え方が、徐々にではありますが、浸透していることを示しています。ほぼすべての悪性腫瘍に対して、保険適用が認められるよう、厚生労働省に働きかけていますが、さらに臨床各科の医師や患者さんに対して啓蒙するという観点から、PET画像診断フォーラムの果たす役割は、ますます重要になると思います」と、挨拶した。
日本アイソトーブ協会PETワーキンググループ(鳥塚主査)は、日本核医学会に協力して2008年4月の保険診療の改正に向けて、すべての悪性腫瘍(早期胃がんを除く)に対してPET検査の保険適用を目指している。PET検査の有用性を証明するデータを厚生労働省の担当課に示すとともに、PET検査により医療費を軽減できることも強調している。医療費軽減効果は、埼玉医科大学の本田憲業教授が、多くの統計を分析してレポートをまとめた。これによると、PET検査の保険適用の範囲を広げても、検査数の増加は10%程度と予測する。一方、PET検査の結果を踏まえて治療計画を立てることで、無駄な手術を減らせるなどの効果があるため、医療費が軽減できると述べている。

 
米国でもPET検診に注目
日本のがん治療医にも浸透
 PET画像診断フォーラムのメンバードクターからの活動報告では、総じて保険適用の検査、特に近隣の医療機関からのPET検査依頼が増加傾向にあり、ドクターそれぞれの施設の稼働率が上昇しているという意見が多かった。
横浜市立大学医学部の井上登美夫教授は、米国で視察したPET検査について報告した。「テキサス州ヒューストンにあるM.D.アンダーソンがんセンターに行ったおり、同センターの乳がん、消化器がん、肺がんや統計の専門の先生に、『日本全国のPETがん検診の状況を論文にして分析している点がすばらしい』と、評価していただきました。また、以前、同センターに留学中に知り合った核医学専門医が、近くに、PETのほか、CTやMRI、マンモグラフィー、超音波といった検査装置をそろえたイメージングセンターを開設され、日本と同じようなPETがん検診を企画していたので、大変驚きました」と、日本での取り組みに対する反応とともに米国でのPET検査浸透の一端を紹介した。
獨協医科大学PETセンター長の村上康二教授は、日本のがん治療医へのPET検査浸透について語った。「例えば、大腸がんが内視鏡で見つかった場合、早期ならPET検査の必要はないでしょうが、進行していれば造影PET/CT検査をして、転移などを調べます。その他に必要なのは肝臓を超音波で診るぐらいです。乳がんなら、PET/CTで転移の検査をしたら細胞を取って診る生検を省いてしまうといったように、PET検査で他の検査を減らすことが定着してきてます」。
 
PETと女性がんの市民講座
熱心に聴き入る参加者
 次に、2007年8月23日に京都で開催した「市民講座 女性がんはPETで診る」の報告が、主催者(PET Summer Seminar 2007 in 琵琶湖)を代表して武田病院画像診断センターの林田孝平センター長、並びに後援した「PET画像診断フォーラム」の事務局から行われた。
特に女性を対象にPET検査への理解を深めてもらうため、京都医療センターの藤井信吾院長に子宮がんと卵巣がんの、十条リハビリテーション病院乳腺科の仁尾義則氏に乳がん特有の症状、その画像診断について分かりやすく解説してもらった。また林田センター長がPET検査について、日常生活で接する事柄に例えながら説明した。同講座には女性を中心に約200人が参加し、熱心に講演を聴いた後、「さらに詳しく理解したい」と講師に向けてアンケート用紙に質問を書き添えるなど、PET検査やがんの理解を深める上で有意義な会となった。
 
広がるPET検査
三者に向けて啓蒙を続ける
 他にも、乳がんなどの骨転移を診る、フッ化ナトリウム(NaF)を使ったPET検査の有用性が明らかになり、保険診療と並行しておこなえるように「先進医療」に認めてもらう活動などの報告が続いた。
これらの活動を踏まえて、PET画像診断フォーラム第5回会議は、PET検診の認知度や評価の高まりを認識し、一般市民、がん治療医、PET専門医の三者に向けて、さらなる啓蒙活動を続けていくことを確認して、閉会した。
 
PET画像診断フォーラム・メンバー  

前列左から、
● 武田病院画像診断センター長 林田孝平氏
● 横浜市立大学医学部放射線科教授 井上登美夫氏
● 会長 京都大学名誉教授 鳥塚莞爾氏
● 獨協医科大学教授・PETセンター長 村上康二氏
● 兵庫医科大学病院 臨床核医学臨床教授 柏木 徹氏
後列左から、
● 日本医科大学放射線科講師 高木 亮氏
● 日本医科大学健診医療センター所長 石原圭一氏
● セントラルCIクリニック院長 塚本江利子氏
● 京都大学医学部附属病院放射線診断科助教 中本裕士氏
● 済生会中津病院PETセンター長 岡村光英氏
● 兵庫県立がんセンター参事・放射線科部長 足立秀治氏
● 厚地記念クリニック院長 陣之内正史氏

● 東天満クリニック院長
松村 要氏
● ユトレヒト大学准教授
高原太郎氏
PET画像診断フォーラム・サポート企業

● GE横河メディカルシステム株式会社
● 東芝メディカルシステムズ株式会社
● 株式会社島津製作所
● 日本メジフィジックス株式会社
● シーメンス旭メディテック株式会社
● 株式会社日立メディコ
● 株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン
 メディカルシステムズ
● 住友重機械工業株式会社